甘いバニラが溶ける前に second【平野紫耀】

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さすがにそろそろ帰らないとなぁ

なんて思いつつも帰りたくないという気持ちが

邪魔していると


Aの顔がすごく眠そうな顔に

なっていることに気づく



目がとろんとしていて可愛いし

二重の線がいつにも増して綺麗に見える



「A〜」


『へ？』



俺はAに意味もなく抱きつく


Aの甘くて優しい花の匂いに包まれ

俺は(あぁ、この人とずっと一緒にいたい)と

抱きつく度に思う



俺はなんて幸せなことを考えられていんだろうか



「充電完了〜」


『わ、わっ私も！！』



顔を真っ赤にしながらも俺に同調するAは

こういうことにいつまで経っても慣れない


初々しくて常にかわいいという感情を持ってしまう



「Aは可愛いね〜」


『...！すぐそうやって言う！！』



Aは顔の赤さはそのままに

一瞬少しだけ悲しそうな表情をしたのを見逃さなかった



「...どうしたの？」


『えっ？なんでもないよ？』



Aはよく悩み事などがある時も

俺に何かと隠そうとする癖がある


そこまでに俺が頼りないのだろうか...？



「...ごめん、俺が頼りないせいで」


『違うよ！！！その、勝手に私がその...』


「...？」


『し、嫉妬？して沈んでただけだから！！』




嫉妬...？嫉妬する要素がさっきの会話にあった...？


俺はよく分からずAの解説を待つ



『その、かわいいとかテレビでも言ったり
演技でも他の人に言ったりしてるって思ったら
すごくなんか悲しくて...！

でもそんなの当たり前だし、紫耀くんがこの仕事じゃなきゃ出会えてないし、自分が惨めで恥ずかしい...』



A、それは違うよ


確かに演技で言うしテレビで状況的に言わなきゃ

いけないときもあるしむしろ

かわいい以上の言葉だって言ってきた



でも出会った時から心からそう思えるのはAだけで

それは今もこれからも変わらないこと



「俺を支えてくれるAを俺は誇りに思うし大切だよ」


『しょ、紫耀くん〜！！』



泣きながら抱きついてきたAは

疲れたのかそのまま寝てしまって

Aをベットに運んだ俺は鍵を閉めて


新聞入れから鍵を中に入れて自宅へと帰った。

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