おじゃま虫【岸優太】 (ページ21)

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俺との思い出話を楽しそうに話す先輩。

なんか、若干バカにされてるような気がする...

話終わり、俺が

「そうッスね～、やっと思い出してくれたんすね！！俺、ほんとにその頃からずーっと好きですよ？！」

ってストレートに伝えたって、

『わぁー、嬉しいーありがと～』

と、凄い棒読みに返される。

というか、スルーされる。

空を見上げた先輩を見つめていると

ふと俺の方を見た先輩と目が合い

お互いクスッと笑う。

『岸も大きくなったよね～。
私もう岸のことおんぶできないよ笑』

「当ったり前じゃないですか！
今度は俺が助ける番すからね！！」

『わぁ、頼もしい笑』

またも、本気にして貰えない。

まぁ、いつか、いつか、認めて貰えたら

俺は全然それでいいんだけどさ。

俺達が談笑していると

体育館の中から平野先輩のA先輩を

呼ぶ声が聞こえた。

『はぁい！！ちょっと待ってぇー！！今行くー！』

そういって立ち上がる先輩の腕を俺は

行って欲しくないと思ってしまい

掴んでしまった。

『岸、私...』

先輩は困ったように俺を見る。

違う、俺はこんな顔をさせたいんじゃない。

「なんでもねぇっす。ごめんなさい、引き止めちゃって...」

『...っ』

何かを言いたそうだったが

先輩は体育館の中へ入っていってしまった。

残された俺に緑になった葉っぱが

横に1枚、ひらっと舞い降りてきた。