▽呼び方。 ページ16
*
「Aちゃーーーん!!!」
『岸、うるさいよ。』
大好きな先輩の背中を見つけ
廊下を猛ダッシュする俺。
いや、こんな時に "校則" なんて言わないでくれよ?
それにしても最近Aちゃんが
冷たい気がしないでもない。
だってみんな "君付け" なのに
俺、‘岸’ 呼びだぜ??
まぁ、慣れ、なんだと思うんだけど。
それはそれで嬉しい。
『そうだ、岸。』
「はい!」
『岸さ、私のことちゃんと先輩付けしてよ。』
「____え?」
それ、今更っすかーー?!!!?
もう慣れちゃってるのに...
『お願い!!』
両手を合わせ、片目を瞑って俺を見るAちゃん。
分かってんだよなぁ。
こんなんされたら俺が許しちゃうことを、
本当は俺だけの特別感が欲しかったけど、
こんなにお願いされちゃ仕方がない。
「全然いいっすよ!」
『ありがとー!!!よかった、
そしたら私も岸くんって』
「いやいや!!!それはいいです!!むしろ岸がいいっす!!」
『あっ...そう?じゃあ...』
「ありがとうございます!」
先輩は
"なんで呼び捨ての方がいいんだ?"
みたいな顔をしてるけど、
そりゃあそうだろう。
だってさ、せっかくの先輩の中で
"呼び捨てしてない後輩=岸"
だけだろ?
勿体ねぇじゃん!!
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作者名:あめか。 | 作成日時:2019年9月8日 20時