【刀剣乱舞】たった一振りの、鶴の姫君。 (ページ1)

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表紙の裏。自分を忘れないようにページ1

恐らく、私がこの日記を読んでいるという事は長い間、人の姿を持っていて振り返りたくなったのだろう。
それか私が折れてしまい、主か他の刀剣男士が読んでいるのだろう。

刀は年を取らない。けれど、少しは変わるはず。
せめて、今書いている私だけは残させてくれないか。

この日記帳は、主が私に買ってくれたもの。
この日記を書いている頃の私が居る本丸は、刀剣男士それぞれに日記帳を渡され、日々の事を重ね書く。
そして私は、唯一の刀剣女士で今日この本丸に来た。
この表紙、なかなか可愛らしいだろう?加州清光が、つい先ほど羨んできた。

そんな唯一の刀剣女士の私は、黒くて長い髪に白いメッシュを持っている。逆の方が、鶴らしいがな。
だがもう一振りの鶴と似たような見た目になるのは嫌だ。
そして、瞳はわずかに吊り上っていて赤い。三日月宗近には、血のようだと言われたな。
鶴の、頭のあの赤い部分か。
それから……服は、淡い桃色の桜柄をした着物に藍色の帯。
ああ、あと…下駄は、厚底のぽっくりだな。
内番衣装は、今主が作ってくれている。歌仙兼定も協力しているらしい。
…この本丸は、とても優しいな。
主も、刀剣男士も……昔に居た場所とは、大違いだ。
此処でなら、生きていける気がする。
刀として、人を見守ることが出来そうな気がする。
…今日から、よろしく頼む。