小悪魔☆ハニーvol.10《T.MASUDA》

story488 ページ45

「まだ彼女にはしない。」







……。









なんとなくそう言われるんじゃないかって気がしてた。









優しそうに見えて実はとっても頑固な貴久先生









まだ…彼女にはなれないんじゃないかなって。









きっと先生には考えがある…
でも自分の気持ちを伝えたかった。









好きだよ…とかではなくて。
私のことを「彼女」として

そばにおいてほしい









…私がイマイチ自信が持てないのは
「彼女」ではないから…。









ﾊｯｷﾘ言われてﾓﾔﾓﾔはなくなったけど。
振られたわけじゃないし。

…お互いの気持ちはわかってる。









でもやっぱりちょっとｼｮｯｸ.....。









複雑な気持ちが、涙として零れ落ちた。









少し先で、私に背中を見せていた先生は
「…おいで」って私を呼ぶ。









ゆっくり…時間をかけてそばに寄った。






「…おせぇ…w」









そう呟いた先生は。
私の手をとって…ﾎﾟｹｯﾄに入れる。









指を絡めて、私の手をﾎﾟｹｯﾄに入れると。
「冷てー…w」って空を見上げて笑った。









増田「あのさぁ…」









空を見上げながら話しかけるから、私は貴久先生を見た。









増田「今お前が着てるｼﾞｬｹｯﾄ....。本当はｸﾘｽﾏｽﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄだったのよ。」

A「…ｳﾝ。ありがとね…。」









お母さんに聞いた。
増田くんが選んだみたいよって…。









増田「で…本当は今日渡さないと意味ないじゃん。」

A「そんなことないよ…。お揃いで着られて嬉しかったよ。」









増田「いや…。ｸﾘｽﾏｽﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄは今日渡さないと意味ないの。」









…頑固。

そう思ったら譲らない人だから…








増田「で。何がいいかなーって考えてたの。」

A「…ｳﾝ」









増田「…1回、手離していい？」

A「うん。」









そういうと貴久先生は手を離し…
さっきからﾎﾟｹｯﾄの中にある何かを
私の手のひらに握らせた。









増田「コレ…。あげる」

A「…みていいの？」

増田「うん。」







ﾎﾟｹｯﾄから出てきたのは…






A「鍵？」









ｷﾗｷﾗした鍵と。
ｶﾗﾌﾙな星がたくさんついて。
ﾜｲﾝ型のﾓﾁ-ﾌのｷ-ﾎﾙﾀﾞ-がついてる。









A「これ…。」








増田「…合鍵。」









「ｵﾚんちの…///」









前髪を弾きながら…
照れくさそうに言った。

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