小悪魔☆ハニーvol.9《T.MASUDA》

story441＊TAKAHISA ページ49

貴久side…



ﾍﾞﾀﾍﾞﾀしてくる希を適当にあしらいながら
山田が来るのを待っていた。




…ってか暑苦しい‼







「希‼離れろ、暑い‼」







「えぇー…」って…少しだけ離れたけど。
暑すぎてｼｬﾂのﾎﾞﾀﾝを２つ目まで開けると。






「増田くん、相変わらずたくましー♪」って
またくっつく。









増田「ｵﾚに触っていいのはAだけー。」

希「今はいないじゃん♪」

増田「だめー。お前ﾀﾊﾞｺくさいもん」









まぁ…友達のﾉﾘ。
しばらくするとﾄﾞｱをﾉｯｸする音がして。





「お待たせしました」って。山田が現れた。









けど…。








ﾎﾞｿﾎﾞｿと誰かと話をし…。
「誰かいるのか？」とのぞくと。
その後ろには。









「え…A…⁇」









なぜかAの姿。






どうしてこんなところに？

塾は？

もうすぐ門限だろ？









…なんでここに？








状況が読めなくて

一瞬固まった。








いや、固まってる場合じゃない。
こんな所に来ていいはずがないんだ。









Aを連れて出ないと…。
そう思ってAのそばへいき、腕を掴んだ。








増田「帰るぞ…」

A「…ぃでよ。。」





増田「A。」

A「触らないでよ‼」









ﾄﾞﾝ....ｯと。力いっぱい突き飛ばされた。
…まあ、Aの力なんか知れてるから
ｵﾚはﾌﾗつくだけだけど…。









それよりも突き飛ばされたことの方がｼｮｯｸだった。









希「ちょっと‼増田くんに、ひどい‼」









希がｵﾚに抱きつく。
それを振りほどこうとしながらAを見ると









Aは…大きな目に涙をいっぱい浮かべて
「ｳｿﾂｷ.....」って呟いた。









涼介「先輩なんて…こんなもんだよw」

増田「なに言ってんだよ…」

涼介「そんな格好して。なにしてたんスか」









改めて自分を見ると。
…誤解…されても仕方のないような身なりだったことに気がついた。







相手が希だったせいか、あまり気を使わず。
暑くて…かなり着崩していた。









増田「A、とにかく帰ろう。」









Aのそばに寄ると大きな目から涙がﾎﾟﾛﾎﾟﾛ..っと落ち。
「…嘘つき…。友達って…。」








そう言ってあとずさる。









手を伸ばした瞬間。
Aは向きを変え。








出口へ向かって走り出した。

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