ひと夏の恋~my girl~LAST LOVE【前編】《Kei.Ｉ》

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山田「あ…」



慧「ん？」




マスターは…

テーブルの下から一冊の本を差し出した







山田「お前…これ見た？」



慧「何これ？」



山田「大貴が持ってきた。

ﾄﾞｲﾂに行った時の写真だって」








そういうと
オレに差し出し…「見てみ？」と
言った。









ページをめくると…









慧「お♪A…w」





大ちゃんと空港で撮ったもの。


ｲｽに座ってｽﾏﾎを触るお姉さんや

大ちゃんとの自撮りや…




飛行機を指差してはしゃぐ写真







慧「可愛い♪」







でも…次のページからは

風景写真ばかりで…






慧「街並みばかりだね」



山田「あぁ…。もう少しするとあるだろ」








しばらくめくっていくと…









慧「A……」









そこには…









嬉しそうにまっすーにくっつくお姉さん…








慧「嬉しそう…w」









腕を組んだり…


背中にくっついたり…


まっすーが拗ねてたり…


見つめあったり…









慧「A…楽しそう…♪」









お姉さんの「幸せ」が

ここにあった。









慧「あれ…


これだけ？」









山田「大貴が言うには3日目はもう…


一緒にはいなかったらしいからな…」









たった２日…





初めて行ったドイツで
たった２日間しか幸せが続かなかった









山田「ドイツなんか行かなければよかったって
言ってたみたいだ…」









慧「Aって……こんな風に笑ってたっけ…w」






山田「色気ねーけどなw」









慧「まぁ、確かにw」









今のがぐっと色気が出て
大人のオンナになってきてるけど…









山田「まだ…見せられねーよな？」


慧「まだダメだねw」









山田「…オレは負けねーよ？」


慧「オレだって…負けないw」









お姉さんが笑顔を取り戻すために…



オレができることは…









精一杯愛してあげること…









お姉さんは
今

必死に前に進もうとしている







その手をとって

オレが歩き出さなければ








お姉さんはまた道に迷ってしまう…









お姉さんは…









マスターの手をとって歩き出すのか…






オレの手をとって歩き出すのか…








選択肢は２つ









慧「明日…クリスマスパーティー

誘ってもいいよね？」


山田「もちろん。オレの愛するAを
連れてこいw」

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