ひと夏の恋〜my girl〜《Kei.I》

story24 ページ24

masqueradeに着くまで




2人でずっと手をつないで歩いた。






時々…







自転車が横切るとお姉さんは







ぎゅっとオレにしがみついた。







慧「A…散歩…こわい？」


A「ううん…平気…」







平気なわけないじゃん…

震えてるくせに…









きっと、突然襲われたのかなって思うと
かわいそうで…辛かった。







慧「やっぱり、Aがポケットサイズだったらよかったねw」


A「えー?」


慧「そしたら絶対危なくないじゃん？」



前に言った時は「痩せろってこと？」って
怒られた。



A「小さくなったら…いのーくんと
さっきみたいなこと出来ないよ？」





いたずらっぽく笑う。





慧「あー…それはすごく困るなぁ」


A「ふふ…♪」






しばらく歩くと。




A「いのーくん…私がバイト辞めたら
寂しい？」


慧「寂しい…」






A「そーだよね…」









そのまま話さなくなった。









慧「辞めるの…？」









なにも言わず。









A「貴久の言う通り…だなって」







慧「まっすーの…？」









A「うん…。今度また襲われても…

私…言えないかもしれないし…。」





慧「A…」






A「貴久の言う通り……」









唇を噛んで。
うつむいた。









オレは…




お姉さんをキツく抱きしめた。









慧「Aがバイト辞めても。
オレ…Aのうちに行ってもいい？」








A「うん…。」









慧「A…」









どちらからともなく顔が近づく









慧「…愛してる…」









もちろん返事なんてない。

でも…








それでもオレは…愛してる。









masqueradeでは。




まっすーとマスターが待っていた。





増田「A…」






A「マスター…。私辞めます…」




山田「…いいのか？」





A「…今度…そんなことがあったら
お店に迷惑かかるし…。ごめんなさい…」




山田「……わかっ…」






A「でも‼忙しい時とか…イベントの時とか……人が足りない時は…。
呼んで欲しい…です……。」






マスターはお姉さんの頭をポンと叩いた。






山田「それは。オレがお願いしようと思ってたんだけどw
クリスマスとかカウントダウンはたのむよ？」




お姉さんは嬉しそうに
頷いた。

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