ひと夏の恋〜my girl〜《Kei.I》

story22＊YAMA DA ページ22

山田side



Aが先輩と別れて少しして…




オレがヘアサロンに行った日。





たまたま同じような金髪の男が
女を連れて入ってきた。





女はあまり乗り気ではなくて…
ヘアサロンに来て嫌がるなんて
変な女だなぁ…と思って見ていた。




店長「山ちゃぁん♪分け目どーするぅ？」


山田「もう少しこっちで…あ、このサイド
編み込んで」


店長「いーわよぉ〜。」




待つこと30分




店長「出来たわよぉ〜♪」


山田「ね、店長…あの金髪、誰？」


店長「あれ？あれはテゴニャン♪イケメン」


山田「隣の女は…？」



店長「テゴニャンのお友達ですってぇ。
なんかAちゃん…だったかしら？」




A…


A…？



山田「A…‼」





思わず立ち上がる。

オレはそのまま歩いて、セットしてもらってる
Aのそばへ寄って行った。



間違いない。Aだった。





向こうも見る。






でも。





力なく笑った。






山田「A…だろ？」



A「りょー…すけ。」






オレの勘はただしかった。
でも。あれほど増田先輩とは別れないと思ってたAが、違う男といたことに
かなりの違和感を覚えた。





山田「A…先輩は？」





A「振られちゃった…w」









髪を切り、ゆるくパーマをかけて
キレイな女になったのに…

久々にあったらAは。



別れた時と同じように
ポロポロと涙をこぼしていた。






何度も見た泣き顔をオレが
忘れるわけなかった。







山田「店…来いよ」









それがあいつとの2度目の出会いだった。






そして今も。

あいつの最後は泣き顔だ。







山田「先輩……オレに下さいよ…」


増田「…w」




余裕な顔して笑う。









増田「山田…Aは伊野尾くんと
どこまでいった？」



山田「は？知らねーっすよ、居場所…」



増田「じゃなくて。ドコマデいった？」






山田「先輩の想像まで…じゃないですか？」






確信はないけど。


2人の間の微妙な空気の変化。





伊野尾にとってAが





「憧れの人」から





「愛しい人」へ変わった。






Aにとってもそうなのか…








「弟の友達」から





「大切な人」に変わった









たくさんの人を見ているから
わかる微妙な変化。









山田「オレも…遠慮しないですからね…」






増田「…フッ…。ライバル多いな…w」

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