ひと夏の恋〜my girl〜《Kei.I》

story17＊YAMA DA ページ17

警察に呼ばれて話を聞く。




山田「犯人は捕まったんですか？」


警察「はい…公園でランニング中の方が
見ていて、連絡してくださいまして…」




今パトカーにいるということで
オレは犯人のところへ行った。




警察「あの方なんですけど…」

山田「……女性…ですか？」








パトカーに乗ってうなだれているのは
Aと同じくらいの女の人。






警察「店員さんに好きな方がいたようです。
逆恨みってヤツですかね…」



山田「話せますか？」



警察「では一緒に行きます」







パトカーに乗っている女の人は
オレの顔を見て泣きそうになった。







見たことある。うちのお客さんだ。






山田「こんばんは」


女「ごめんなさい…ごめんなさい…」


山田「どうして襲ったの？」



女「ケガさせるつもりはなかったんです…

ちょっと脅かすつもりだったんです…」



山田「でも…Aはケガしたよ？」



女「はい…。私…慧くんのファンで…

いつも仲よかったから…羨ましくて…」





伊野尾くんのファン…

まるで芸能人だな…。





女「有岡さんが近付いてくるから…
怖くなって…それで…本当ごめんなさい‼」






山田「そっか…。うちの店が好きだったんだね…でも。
有岡さんはうちにとって大切な従業員なんだよね。
君の好きな伊野尾くんと同じ立場だよ」


女「はい…」




山田「どうするかは有岡さん次第だけど…。
申し訳ないけど今後うちの店に出入り禁止に
させてもらうね…」



女「はい…」





女の子はシクシク泣き出した。






伊野尾くんか…





すると処置を終えたAと増田先輩がやってくる。



山田「A…もういいのか？」


A「うん。大丈夫♪」


増田「犯人…あのこ？」


山田「…みたいですね……」





増田先輩を…Aは止めた。




A「理由は聞いたから。大丈夫。
貴久は行かなくてもいいの」


増田「でも…」





Aはオレの見て困り顔をする。

A「貴久、ちょっと待ってて」






山田「理由は聞いたから…」

A「お願い、伊野尾くんには言わないで」

山田「でも、伊野尾のファンらしいぞ？」


A「きっと…伊野尾くん気にしちゃうから…。だから言わないでほしい。お願い‼」





んー…



確かに伊野尾とAは仲良かったし…




今後どうするか。




決断しなきゃいけなかった。

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