なれなかったもの同士【オリジナル】 (ページ19)

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19話ページ19

アヴァロン

一度神界に帰るとはいえ、問題がひとつあった

エニシだ。

神界は神かゼウスに認められたものでしかないと入ることは出来ない。故にエニシは森に置いていかないくてはならなくなる

しかし、ここに来てエニシは駄々っ子のように手を離さなくなった

「やだ！」

「エニシちゃん……」

「アヴァロンを怖い人のとこに一人で連れてくのだめ！エニシが守るの！」

「なんていいこ……！！」

怖い人のところに行くのでは無いのだが……
どうもこのままではエニシは手を離してくれそうにない

どうするべきかと悩んでいるとひとつの考えが頭に浮かんだ

「………エニシを連れていく方法は一つだけある。」

「なに？」

「俺がクロノスの神気を解放しエニシの生気を誤魔化す方法だな。これは特に神気の高い俺やゼウスなど覇権を持ったことのある神にしか出来ないから、バレる。俺が昇ってきたことが」

「うわぁ……それはダメだね。ゼウス様にバレてしまう」

「わたしいけるの！？」

「しかし、こうも強請られてはなぁ……。初めてのここまで願っているんだ……この子のためなら、もういいかもしれない」

「バレちゃうけど……やっちゃう？派手に」

ここまで強請ってきたのは初めてなのだ

今まで森の一室で窮屈だったとは思うし、神界とはいえ外に出てやりたい

そしてその願いが俺を守るためなんて……嬉しいなぁ……

俺変な性格になっていないか？