なれなかったもの同士【オリジナル】 (ページ15)

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15話ページ15

そして次の日

「よし。まず最初は発声からだ。お前は聴くことは特に優れているからステップをひとつ飛ばして話すことから始める」

「かぅう！」

「まずは―――――。」

昨日の余った時間で考えていたエニシの言語習得について今日から初めて行くことにした

結局は人間の言葉を覚えると社会に出やすくなり人間達に紛れ込むことが出来る
現人口でいちばん多いのは人間だ。その次に亜人だ。エニシは月狼という絶滅寸前の種だ

その日は一日中発声をした

「か」と「う」は話せるのだ。
進化の過程で喉などの発声器官もしっかりとしているから俺と同じように話せることは間違いない

太陽が沈み今日の結果は

「かあう！えーに！」

あの行は言えるようになった……までは言わないがか、う、以外も言えるようになっている

というか自分の名前の半分も言えるようになっている。成長が早い

「えーに！！えーに！！」

「あぁエニシだ。お前の名はエニシだ」

「えーにし！！」

「一日でここまでいくなんてな……お前はすごいな」

「かうっ！」

褒められたら元に戻るのか……なんて苦笑いになってしまう

しかし自身の名前を言おうと努力するところは好感しか無い