彼女は言ノ葉。【レイ】【約ネバ】 (ページ5)

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04. ページ5

Aside

今日の朝ごはんは野菜のたっぷり入った
クリームシチューだった。

施設(ハウス)のご飯はとても美味しいから
食べる度についつい頬が緩んでしまう。

「あはは、Aってば凄く美味しそうに食べるね」

右隣から不意にノーマンに声をかけられて
ビクッとしてしまった。

「あぁ、ごめんA。
驚かせるつもりは無かったんだ。」

眉を少し下げてお詫びに、と言わんばかりに
彼と同じ色の私の髪を撫でた。

『ノーマンの撫で方優しいから、好き』

そう書き込んだタブレットを見せると
彼の白い頬が紅潮した。
照れたように笑った彼は何かに気付くと
コホン、と咳払いをする。

「ありがとう、A。
ただ、これ以上この話をすると後々が怖いから
食べちゃおうか。」

(……？何かしちゃったかな、？)

心に少しの疑問が残ったけれど別の話題に
切り替えたノーマンを見て忘れることにした。

また食べ始めようとスプーンを持った所で

「A」と正面から聞こえた。

ノーマンとは別の、低い声色。
少しぶっきらぼうに聞こえるけれど
同い年の誰よりかも聞いてきた声を拾って向けば
パチリと声の主と目が合って

「自由時間、いつもの場所な。」

返事としてこくりと頷けばフッと笑って
声の主は食器へ視線を戻した。

(あぁ、また頬が緩んじゃうなぁ。)
先程ノーマンに突っ込まれたばかりなのに。
理由は違うと言え、ね。

ノーマン side

(ほんと、不器用だなぁ、レイは。
あんな睨まなくてもAも君一途なのに。)