入れ替わってすき。【stxxx】 (ページ13)

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三章　それぞれの覚悟ページ13

＿＿ななもり。

俺にはとても、大切な仲間がいる。

勿論それはメンバーのことなんだけど、その中でも俺の中で特別なのがうちの赤色担当。

けど、俺たちのグループはちょっと複雑だから、きっと俺の恋は叶うことはないんだと思う。

だから、莉犬君の恋を応援することにした。

莉犬君はころちゃんとさとちゃんが好き。
きっとメンバーの全員が気づいているし、でもそれを皆見て見ぬふりをしている。

すっごくズルくて嫌なやり方だって自分でも思うし、多分みんなも心のどこかで思ってるんじゃないかな。

けど、この「仲間」という関係を維持するためには我儘を言うわけにはいかない。

誰かが我慢しなきゃいけないんだ。

ころちゃんとさとちゃんがるぅと君に思いを寄せていることにも勿論知ってはいるけど...でも、二人にはるぅと君じゃなく莉犬君と付き合ってもらう必要がある。

それが、何より莉犬君の幸せにつながることだから。

誰よりも、何よりも、莉犬君の幸せが俺にとって重要なものなんだよ。

そのためには、すとぷり以外、何を失っても構わない。

「ななもりさーん、次、レコーディングです」

スタッフさんの声が届いて俺は「はーい」と立ち上がり向かった。

途中すれ違ったジェル君に無理せんといてや、と声をかけられたけど

それは仕事のこと？それとも、

いや、やめよう。

どちらにしろ、俺は無理をするし。

「レコーディング、おねがいします！」

しっかりと前を見据えた俺に心配そうに向けられるジェル君の視線には気づかないふりをした。