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今日は臨が日直だ。
「やっと来たね」
「いいよなぁ先に終わってて」
「知らないもーん」
「先に行ってて」
「え??」
「門のとこで待ってて」
「あ、はーい」
待ち合わせ、か。
私全然そういうのしたことないな
そもそも友達とはあんまり、というか全然遊ばないから
でも、心のどこかで何かが私に訴えた。
<先に行くな>
なんだろう。
理由はなかなか教えてくれない。
「では、皆さん」
『『『さようなら!!』』』
「サヨナラー」
「じゃあなー、俺はまだ残るけど」
なんとなく、行っちゃいけない気がした。
「臨!」
「ん?」
「あ、えっと…」
理由が分からないのに『待ってる』なんて言えない。
「ん? なに??」
とりあえず…
「て、手伝うよ、日直の仕事」
「えっ」
「いやぁうん、私も手伝ってもらったし」
「そ、そう」
すらすら言葉が出てきた。不思議なくらい。
なんとなーく思い浮かんだ言葉をぽっと言っただけなのに、それが言おうと思って言った事みたいに、ホント、さらーって。
あ、分かった。
それだ。私を引き留めていた理由は。
私が私自身を留めていた。どこかでそれを覚えていたから。
「じゃあ、今でもいいか」
「何が?」
「俺がAと二人で帰りたいって言うんだから、何か話があるって気付いてよ」
「ごめん、全然考えてもなかった笑」
「もう〜」
なんだろう、話って。
気になるけど、なかなか話してくれそうにない。
全く、勿体ぶらないで言ってよね。
私は荒々しく黒板消しを叩いた。
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作者名:明音 | 作成日時:2016年12月26日 17時