初恋 (ページ24)

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受験ページ24

ついに年も明け、

　

１月１０日。埼玉入試が始まった。

　

　
今日は始業式なんだけど、私も当然、入試がある。

　

　

　

“滑り止めは受けない”

それが私の、我が家のやり方だ。

　

　

　

ここも、偏差値60超えの、言わば難関校と呼ばれる所だ。

　

　

大丈夫、いつも通り、いつも通り解けばいい。

　

　

　

試験中、ふと臨の顔が浮かんだ。

　

思わずペンが止まった。

　

　

「あ、間違えてる」

心の中で呟いた。

　

　

　

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合格発表は、学校HPで行われた。

　

　

　

「A、自分で押す？」

「いや、いい、早く押して」

　

自分でクリックするのが怖かった。

　

　
でも、昨日のテストは楽しかった。

　

　
心のどこかで確信している自分がいる。

　

　

　

　

　

ふと気づくと、人が大声で何か言っていた。

　

　
きゃーだの、わーだの、何かあったのではないかと思った。

　

「ちょっとA、何ボーッとしてんのよ」

　

「お姉ちゃん、受かってるよ！！」

　

　
「いやぁAスゲーな」

　

　

　

　

「……へ？」

　

　

　
確信していたとは言え、やはり嬉しいものだ。

　

　

　

　
ここでも、いつか先生に言われたように、

　
自分を客観視する、リトルAが、肩に座っていた。

　

　

　

　

　

　

　

急いで塾の先生に電話をし、

　
そしたら塾に強制送還されて、また猛勉強。

　

疲れも忘れてしまうほど、やりまくった。

　

　

東京入試は２月１日から。

もちろんその日も入試がある。
　

　
女子御三家と呼ばれる

トップの女子校３つのうちの1校だ。

面接もある。

　

　

　

でも、そこは第一志望じゃない。

　

　

　

　
うちにはお金がないから、父には国立へ行けと言われている。

　

　

だから、まさかそんな学校に、受かっても行けるはずがなかった。

　

　
行けたとしても、そうすれば、

妹が受験自体を諦めなければならない。

それだけはせめて、避けたかった。

彼女に意志があるなら、してほしかったからだ。

　

　

　

　

　

　

まあとりあえず、明日は入試がないので、学校に行こう。

　

　

　

臨に、会いたかった。