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……駄目だ。集中出来ない。

さっきから一々隣が気になってしょうがない。

「……では、一回休憩にしましょうか」

『『『はーい!』』』

「ういー」

「……」

休憩になったらなったで、勝手に気まずくなってる。
どうした私。何があった。
誰かに魂を持ってかれたように、
心を奪われてしまったように、
何も出来なくなってる。
通常運転じゃない、明らかに。

ざわざわ、ざわざわ、
胸の奥がざわざわしてる。

「どしたの?」

「へっ?」

隣の奴に真っ直ぐ見つめられる。

「なんか、そわそわしてない?」

「そ、そうかなぁ」

「うん」

「え」

なんだコイツ、素直すぎるんですけど。

「いや、別になんでもないなら、それならそれで…」

「くっ」

「えっ」

「なんか、面白いんだけど」

「ど、どこがですか??」

「なんで急に敬語になんの。そういうとこだよ〜」

「ご、ごめん…」

「何故謝る」

「……分かんない」

「やっぱ面白い」

なんでだろう。
陰で、ホッとしてる自分がいる。
…………やっと話せた…

「……え…?」

「こ、今度はどしたの!?」

「えっあっいやっ、な、なんでもないよ、うん…」

「そう……」

「……」

「あのさ…」

「うん?」

「あ、えっと、その…」

「何?」

「な、なんかあったら、言ってね…?」

「//…う、うん…」

分かった。
コイツだ。
あのざわざわの原因は。

「はい、じゃあ、二時間目始めまーす」

始まった。授業ではない授業時間。
散々授業についての話を聞かされて、
この声のトーンも聞き飽きて、
途中、うとうとしていた。

でも、
私がコクンっていきそうな時に
ツンツンってつついて、
起こしてくれる。
……隣の奴が。

名前は確か…金子?臨?

いつも、
誰にも気付かれないように、
優しく、
起こしてくれる。

見上げれば、
そこにいる。

……何かが、私の中で弾けた。

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:明音 | 作成日時:2016年12月26日 17時

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