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「ええっ！？Aさんが誘拐!?」
「はい……」
「警察には？」
「まだです」
「どうして…」
「犯人からは、Aのスマホから掛かってきました。俺のケータイや、家電からだと、GPS等で犯人に通報したことがバレるかも知れません。だから、今こうして学校にいます。」
「そ、そうか…」
「お願いします!! 俺の大事な生徒……いや、妹の為に、協力してください！お願いします!!」
「当然だ。学校としても、彼女を守る責任がある」
「あっ私警察に電話を…」
「俺、徹夜の為に買い出しを……」
「…みんな……」
「後輩だからって、容赦しないとは、こういうことも言うんだよ」
「校長先生…！」
「さあ、みんな準備だ」
『『『『『はい!!』』』』』
「…はい!!」
あっという間に警察の人達が来てくださり、
お金のない俺の為に、自治体も総出で協力してくれた。
「あとは連絡だけだな…」
「明日また、連絡すると」
「明日か……」
「あの、他の先生方は一旦帰っても……」
「帰れる訳ねーだろ！」
「帰るつもりないよ」
「当然、私も」
「校長先生」
「みんな、明日は運良く休日で、三連休だ。何がなんでも、Aさんを助けるぞ」
「勿論ですよ」
「助けましょう!!」
「…ありがとうございます！！！」
AのスマホのGPS追跡を試みたが、切られていて失敗。
通話履歴から場所の特定もやってもらったが、
これも失敗。
「とにかく、今は連絡を待ちましょう」
「……はい」
「櫻井くん」
「はい」
「きっと助かる。大丈夫だよ」
「ありがとう、ございます…」
「元気出せって翔ちゃん〜」
「智くん…」
「もう、僕だって相当焦ってんだから、これでも」
「ええ？」
「あ、そうは見えない？」
「うん」
「おいこらっ」
「とりあえず、今日はもう寝ましょう」
交代交代で連絡を待つ体制で、僕らは眠りについた。
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作者名：明音 | 作成日時：2016年10月19日 19時
