宝石とボロ布 -3-

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痛い。痛いよ。

体が切り刻まれていく。
足から上に、粉々に…



「いたい…」


…あれ？
痛く…ない？


「…チャト？」


目を開けると、チャトの顔がすごく近い状態で見えた。
私が名前を呼ぶと、鳴いて返事をした。

しばらく私の目を見つめた後、頬を舐めてきた。


「い、痛い…」


チャトの舌はザラザラしていて、ヤスリで削られているみたいでちょっと痛い。

上体を起こして、舐めるのをやめさせた。

おはよう、と言っているみたいに、また鳴いた。


そうだ、私は倒れたんだ。
それでそのまま、パルテナさまに回収された。

だから、ここはきっとパルテナさまの神殿。


チャトは呑気に欠伸をすると、私の膝の上から横へ飛び跳ねた。

その姿を目で追うと、私の横には…


「ブラピ…」


ブラピが横たわっていた。

見つけた時は傷だらけでかなり汚れていた体や衣服も、今は綺麗になっている。

胸部が大きく上下しているのがわかる。
ちゃんと息をしている。


「よかった…」


口角は上がっているのに、涙が溢れてきた。

きっと今までに酷いことをされてきたんだと思う。
だから今は、静かに休ませてあげよう。


私の体の傷も、すっかり治っている。
立ち上がって、目を覚ました部屋から出た。


エルも一緒に回収されているはず。
すぐにピット捜索は再開しなければいけない。

何度も同じような状況でここへ来ているから、神殿内のどこに何があるのか大体覚えられた。





「おはよう、ルド。」


食堂に来た。エルはここにいた。
目玉焼きが乗ったトーストを食べている。

エルの隣の席にも、同じトーストが2枚置いてある。


「エル、すぐにピットを探しに行こう。」

「やっぱりな。そう言うと思ったよ。」


ため息を吐かれて、笑われた。


「でもまずは食えよ。腹減ってんだろ？」


今すぐにでもピットを探しに行きたい。
だけど、空腹には勝てない。

お腹いっぱいになって、準備を整えよう。

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