宝石とボロ布 -3-

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パルテナさまの神殿に回収されて、ピットとエルの話を聞くためにみんなで食堂へ来た。

パルテナさまもいる。

私はもらったパンを食べながら話を聞くことにした。


「エル、君の名前について教えて欲しいんだけど…」


ピットに問われたエルは、不思議そうな顔をした。

そういえば、ブラピもさっき私に「エルイダ」という名前について聞いてきた。

何か関係しているのだろうか。


「君の名前の由来って、絵本の主人公の名前だったりする？」

「絵本の主人公？」


エルが聞き返すと、ピットは2回頷いた。


「さあ、知らねーけど…おれの名前、姉さんが付けてくれたんだよ。」


ピットとブラピが、同時に驚いた顔をした。
どうしたんだろう。


「お姉さんが！？」

「あ、ああ…」


エルはお姉さんがいることを私にしか話していなかったらしい。

目を見開いたピットが、私の方を見た。


「…いや、ボクが話していいのか…？」


なぜか困惑している。
そんな様子のピットの脇腹を、ブラピが肘で突いた。


「焦ったい。もう言っちまえよ。」

「そ、そうだね…ボク言うよ…」


ピットは私の方を見返すと、真剣な顔をした。


「フィヨルド。君の本当の名前は…」


聞きたくない事実を突然話し出した。
今すぐこの場から離れたいけど、私が動き出すよりピットの口が開く方が早かった。


「エルイダ…なんだ。」

「えっ…」


どういう意味かわからない。
私の名前がエルイダ？


「君のお母さんに教えてもらった。君にもお姉さんがいて、彼女が君の名付け親だって。」


事情の整理が追いつかない。

エルは険しい顔で私を見ると、ゆっくりと口を開いた。



「初めて会った時から姉さんに似てると思ってたけど…まさか…」

「フィヨルドとエルは姉弟…ってこと？」


エルから聞いた話だと、エルのお母さんは既に亡くなっている。
私たちが姉弟である可能性はないと思う。


「おれの姉さん、養子だったんだ。だから血は繋がってない。」

「実の母親に捨てられたお姉さんとフィヨルドは、それぞれ別の人に保護された…ってことかな…」


あんな女が母親なら、私も姉も捨てられて良かった。

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