宝石とボロ布 -3-

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結果としては、ブラピが地上へ行くことを阻止できた。
だけど、それはかなり暴力的な方法で叶ってしまった。

あれからブラピは何も言わなくなってしまい、私から話しかけても鋭い目で睨まれるだけ。

すごく遣る瀬無い気分で神殿内を歩いていたら、ピットに会った。


「よく言った！君の考えは正しいよ！」


訳を話すと、同情してくれた。


「人間でも知識があれば天使の力もねじ伏せられる。ブラピはそれを全然わかってない。」

「ま、ボクも人間は守らなければいけない生き物だって認識しちゃってるし…侮っちゃうのは本能なのかも。」


だけど、いずれにしてもブラピの神器は取り返さないといけない。
またあの女に関わってしまう可能性は高い。

次こそは心臓を一突きで…




「あのさ、君ってお母さんのこと覚えてる？」

「えっ？」


唐突に聞いてきた。
今までの話に何か関係があることなのだろうか。


「覚えてる…」

「どんな人だった？」

「小太りで、目がまん丸で…怒ると怖いけど、優しいお母さん。」

「そうか…」



覚えているお母さんの容姿と性格を教えた。
するとピットは、険しい顔をして何かを考え始めた。


「どうしたの？」

「…あ、いや、なんでもない！ちょっと気になっただけだよ！」


焦っているように見える。
何か隠しているのかな？


「もう6年くらい会ってないから、今はどんな姿をしているかわからない。」

「お母さん、好き？」

「大好き。」

「そっか。」


ピットは微笑んだけど、どこか寂しそう。



「また会えたらいいね。」

「…うん。」



さっきまで頭の中にいなかったお母さんの存在が、今すごく恋しくなってきてしまった。

病気しないで元気でいるかな。
お父さんと仲良くしているかな。

私がまだ生きていることを教えてあげたい。

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