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ブラピを見つけた小屋に、パルテナさまに転送してもらった。

見つけた時はまだ真夜中だったけど、今ではすっかり日も登って、日差しが暑いくらい。

だけど、今の時点では小屋の中、周辺に誰かがいる気配はない。


私が割った窓には、まだ血が付着している。
時間が経っているから、赤黒くなっている。


「誰もいない。」

「そもそも、ここにブラピだけがいた理由ってなんだ?」


ブラピは目を開けることも話すこともできない状態だった。言ってしまえば、植物状態と同じ。

だけどピットはどうだろう。
まだ意識があって、辛うじて動くことができたとしたら、なんとか逃げられる。

犯人は、逃げたピットを追っていったのかもしれない。

ここの近くには、海岸がある。
その海岸へ行くには林を抜けなければいけない。

ピットはその林へ逃げ込んだ可能性がある。

その推測をエルに話すと、目を見開いた。


「お前…頭の回転早いな。」

「そうかな。」

「あり得るな。林を探してみるか。」



とは言っても、林は巨大。
すぐにピットを見つけられる確率は低い。


「ピットが大きな怪我をしていないことを祈る。」

「大丈夫だよ。天使はそう簡単にくたばりはしねぇって。」


エルはそう言って私の肩を叩こうとしたけど、射爪を装備していることに気づいて止めた。


「おっと…」


私の顔が引っ掻かれてしまう所だった。


「とにかく、探さないことには見つけられない。さっさと林の中に入ろうぜ。」


頷いて、すぐ側にある林へ向かって中へ入った。



林の中は蒸し暑い。
無駄な動きをすれば、余分に体力を奪われてしまう。



「手分けして探そう。」

「それは無理だな。」


なぜか得意げな顔で断られた。


「女神にお前を守るって約束した。そうじゃなくても、おれはルドを守りたい。」

「私はもう誰かに守ってもらわなくても大丈夫。」

「いーや、だめだ。」


私の手を取って、強く握った。



「絶対に離れないからな。」

「…わかった。」

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•:*+.ユミ.+*:• - 夢主の、本名がわかった途端、鳥肌が立ちました‼️これから、どうやって物語が進んでいくのか、楽しみです😆😍 (2021年12月5日 23時) (レス) @page35 id: d5a0a5071d (このIDを非表示/違反報告)
きういち(プロフ) - みかんの缶詰さん» 回収できていないものもあるのですが、頑張って回収して行きたいと思います!ありがとうございます! (2021年8月12日 7時) (レス) id: 3cf9b90fb6 (このIDを非表示/違反報告)
きういち(プロフ) - うさ丸032さん» ありがとうございます!私自身もハラハラドキドキ展開が好きでつい詰め込みすぎてしまいますが…これからもどうぞよろしくお願い致します!! (2021年8月12日 7時) (レス) id: 3cf9b90fb6 (このIDを非表示/違反報告)
みかんの缶詰 - きういちさんの小説は伏線回収が素晴らしすぎて、何度読み返しても全然飽きません!これからも楽しく読ませていただきます!そして、応援しています! (2021年8月11日 20時) (レス) id: a9da165b13 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸032(プロフ) - きういちさんの小説をずっと見ている者です!今回もとっても面白いかつドキドキする展開がまた僕にとっては面白さが湧き立ちます!きういちさん、ずっと応援しています!!頑張ってください!!! (2021年8月7日 14時) (レス) id: 8172536591 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きういち | 作成日時:2021年8月3日 13時

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