宝石とボロ布 -3-

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射撃場に来た。

そこには、楽しそうに動き回って射爪の練習をするエルがいた。


「すっげー！ホントに見えねー！」


ひとつ目の魔物の的に、何度も何度も射撃を加えている。

私も、近距離だけじゃなくて遠距離から攻撃できるようになりたい。

懐にある鞘に入ったナイフを引き抜き、的に向かって投げた。


「あっ。」


ナイフは命中。
魔物の的は消えてしまった。
でも、すぐに復活した。


「ずるいぞルド！おれがトドメを刺すつもりだったのに！」


エルは私の方に駆け寄って、わかりやすく怒った。
笑いながら謝ると、フグのように頬を膨らませて、私が投げたナイフを取りに行った。

そして、拾ったナイフを私に手渡した。



「悔しいけど…命中率高いな。」

「ありがとう。」

「でもそのナイフは投げたりするんじゃないぞ。それをなくしたらお前は一気に無防備になるからな。」

「うん、わかってる。」


このナイフは私の命を守るもの。
そんなお守りを、無闇矢鱈に投げてはいけない。

遠距離攻撃の方法は、また別で考えよう。



「おれは準備バッチリだ。この武器、びっくりするくらいしっくりくる。」


さすがは女神さま直々に選んだ神器。


「ルドはどうだ。もう出発できそうか？」

「いつでも。」

「そんじゃ、早速地上へ戻るとするか！」

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