宝石とボロ布 -1- (ページ41)

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～41 ブラピside ページ41

「やはり、あなたの性格では本音を言われ続けるのは苦痛のようですね。」

フィヨルドの本心を滝のように浴びせられ、耐えられなくなって女神に奇跡を解いてもらった。

「苦痛なんてものじゃない…」

「照れ屋さんなんですから…」

女神は怪しい笑みを浮かべると、首を傾げて馬鹿にしたような声色で言った。

「素直になるべきなのはあなたの方ではないですか？」

「う、うるさい！」

オレが素直になったら、どんな言葉が飛び出してくるのやら。

「と、とにかく、昼にはここを出る…世話になったな。」

「フィヨルドはどうしたいと？」

「よくわからんが、オレについてくる事には間違いない。」

「随分と懐かれたものですね。」

ほんと、こんなオレのどこが良いんだか。

「しかし、主に歯向かう狂犬のようなあなたをも手にかけてしまう人類の力…侮れませんね。」

「一言余計なんだよ。」

いや、二言か。

「念のため、フィヨルドにも何か武器を持たせた方が良いのかしら…」

「経験もないチビに神器は扱えない。宝の持ち腐れだ。」

女神の提案を拒否したら、にやけた顔で睨まれた。

「そんな事言って、彼女を危険に晒す事が許せないのでしょう？」

図星突かれた。

「そ…そんなの一言も言ってねーだろ！」

「ふふっ、本当に弄り甲斐のある子ね。」

「ああもう！」

揶揄われるのは嫌いだ。
だがこの女神に…パルテナさまにそうされるのはそんなに嫌でもない…気がする。

くそっ、こんなんじゃピットと同じじゃないか！

「予定変更だ！今すぐここを出る！」

女神の前から立ち去ろうと背を向け、空き部屋へ向かおうとしたが…

「ブラピ。」

呼び止められた。

「…なんだよ。まだ揶揄い足りないってか？」

「それもそうですが、最後にお願いです。」

先程のふざけたような表情とは違い、恐ろしいくらい真面目な顔をしている。

「本当に危なくなったら、あなただけで解決しようとはせずに私やナチュレに助けを求めなさい。」

「オレは女神のフンなんかに…」

「これはおふざけではありませんよ。警告です。」

真剣な女神の顔から、目が逸らせない。

「フィヨルドは疎か、あなたの命が消えてしまっては、元も子もないのですから。」