続・天使たちの短編集 (ページ6)

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ピッ子とピッ子：1 ページ6

-ノジアside-

エレン「それじゃあ、任せたわね！」

ノジア「ああ、ゆっくりしてきてくれ。」

エレンにベビーシッターを任された。

今日、エレンは旦那と久々に出かけるらしい。

ピッ子を里子に迎えてから、なかなか一緒に出かけられなかったそうだから、育児と店のことを考えないで楽しんできてもらいたい。

ピッ子「まぁま！」

ノジア「またお前のママになれる日が来るなんて、夢みたいだ…」

店のキッチンは自由に使っていいと言ってくれたから、今ブラピに神殿から材料を取りに行ってもらっている。

赤ちゃんでも食べられるおやつを作ってみよう。

エレンの部屋でピッ子と戯れあっていたら、店のドアベルの音が聞こえた。

ノジア「ん、ブラピ戻って来たかな？」

部屋から出て、誰が来たのか確認する。

まあ、多分ブラピだろう。
と思ったが…

ノジア「あれ…誰だ？」

ドアの前に立っていたのは、見知らぬ少女だった。

恐らく人間の子だろう。ワタシと同じくらいの体だ。

ノジア「もしかして、お客さん？悪いけど今日は休業日なんだ…」

「君、その格好…」

少女はワタシの体を凝視する。

なんだこいつと思っていたら、ドアの磨りガラス越しに見慣れた色の人影が見えた。

ブラピが戻って来たようだ。

ブラピ「悪い、遅くなったな。」

ドアを開けながらブラピが言う。

その声を聞いた少女は勢いよく振り向いた。

「ブラピ！」

ノジア「えっ？」

なんでこの子、ブラピを知ってるんだ？

「良かったー！アタシまた迷子になっちゃったと思ったよ！」

少女は遠慮なくブラピに抱きついた。
その所為でブラピは持ってきた材料を落としてしまった。

ああ、今となっては貴重な小麦粉が…

ノジア「知り合いか？」

ブラピ「し、知らんぞこんなヤツ！」

「何その冗談！全く面白くないよ！」

ブラピ「知らんものは知らん！誰だお前！」

「ピッ子だよ！娘の名前も忘れちゃったの？」

ぴ、ピッ子…だと？
ブラピの…娘！？