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You side
今日はお父様…皇帝陛下の誕生日だ。
今夜のパーティーは貴族達だけのパーティーではなく、同盟を組んでいる他国の王族も来るのだ。
こんなつまらないパーティーに出席したところで、私に得なんて何一つない。
『はぁ…』
メイド「皇女様?どうかされましたか?」
『あ、いいえ、なんでもないわ』
いけないいけない、皇女たる者、人前で溜息など吐いてはダメだわ。
『参りましょう?』
メイド「えぇ、ちょうどいい時間ですし、参りましょう」
ギィィィ
パーティーの会場の大きな扉が開く__
私が少しずつ、少しずつ足を進めていくと、ザワザワとしていた会場内は静かになり、皆が私の通るレッドカーペットの敷かれた道に向かって頭を下げる
こんな、硬っ苦しいことは嫌いなのだ
皆が自由に笑い合い、好きなようにする、例えば国民たちのような。
自由に、なりたい。
うらたに、届いたのかな、あの言葉。
でも、いくらうらたでも叶えられるわけがない。
それに、あの日から随分と時が経っている。
一向にうらたは姿を現さない。
やっぱり、私だけだったんだ。
好きって気持ちも、うらたといて、楽しいっていう気持ちも、思い出も。
『ハハッ…』
乾いた私の笑い声は周りの貴族や王族達に聞こえることはなかった
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作者名:いちごだいふく | 作成日時:2019年2月17日 8時