不憫な妹物語（後編）【清水潔子】

３８ページ目 ページ2

代表決定戦2日目。



私は仙台市体育館にきた。


「寧音ちゃん！こっち！」


若干迷っていると仁花ちゃんを見つけた。


応援席に行くと、一人の男の人がいた。


「仁花ちゃん、この方誰？」

「嶋田マートの嶋田さん。烏野のＯＢだよ！」

「じゃあこの方は？」


私の隣に金髪のどこかでみたことのありそうな女の人がいた。


「えっと、分からない、、、」

「どうも〜田中龍之介の姉の田中冴子で〜す。」


ああ、田中さんのお姉さんか。

似ているな。



そして、烏野対和久谷南の試合が始まった。


初っ端から翔陽と影山くんの新速攻が決まった。


田中さんのお姉さんを含めた周りの人が驚いている。

確かにあんな超速攻をやったら驚くよね。


あ、嶋田さんと仁花ちゃんが悪い顔をしている。



でも、和久南は驚いている様子はなかった。

翔陽が悔しそうな顔をしていたけど、大地さんから何か言われて変な動きをし始めた。

大地さん、、、何を言ったんだ？



それから試合は点差が広がることなく進んでいる。


和久南の１番の戦い方が、翔陽が憧れている“小さな巨人”に似ていると嶋田さんが言っていた。

次世代“小さな巨人対決”か。

翔陽には負けられない試合なんだな。


翔陽が目立っているけど、旭さんが2枚ブロックをぶち抜いた。

ここからでも分かる、大地さんが悪い顔をした。



そして烏野１９対和久南１７。

次、点を取れば烏野が２０点台だ。


見ているこっちが辛くなる程、ラリーが続いた。

繋いで、繋いで点を入れたのは烏野だった。



でも、烏野側のコートを見ると、大地さんが倒れていた。





「大地さん、、、？」

３９ページ目→←３７ページ目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す