薄桜鬼での生活は波乱━第2の物語━ (ページ47)

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慶応二年　師走ページ47

＿Noside

身を切られるような寒さの中、ほうきを片手に境内の掃除をしているものがいた。

千鶴「･･･こんな感じかな」

近藤「お、境内を掃除していてくれていたのか？助かるな」

千鶴「あっ、近藤さん。近頃はだいぶ、風も冷たくなってきましたね」

近藤「うむ･･･。京に来てからずいぶん経つが、この寒さにはどうも慣れんな」

千鶴「せっかく落ち葉を集めたので、後で焼き芋をしようと思うんです。
よかったら、近藤さんたちも一緒にいかがですか？温まると思いますよ」

近藤「焼き芋か･･･昔はよくやったもんだが」

千鶴「あ･･･。近頃、お忙しいみたいですけど、お身体は大丈夫ですか？」

近藤「ん？まあ、こういう時代だからな。忙しいってことは、それだけ、
新選組が頼りにされているってことだ。名誉なことさ」

千鶴「そうですね･･･」

そう近藤と千鶴が話をしているとそこへ、土方が通りかかる

土方「おっ、近藤さん。こんな所にいたのか」

近藤「おお、トシ。どこに行ってたんだ？捜したぞ。
次の将軍だがな、家茂将軍の後見人だった一橋慶喜公に決まったようだ」

土方「･･･やっぱり、あの人に決まったか。他にやる人なんざいねえんだから、
もったいぶらずにさっさと引き受けりゃいいのによ」

近藤「トシ、将軍公になられた方に向かってその言い方はないだろう。
あの方は、東照神君家康公の再来と呼ばれるほど、英明な方なんだぞ」

土方「まあ、いい。将軍が誰になろうが、俺たちはその将軍の元で戦うだけだ」

近藤「そうだな。俺たちが頑張れば、それだけ将軍公も徳川幕府も安泰ってわけだ」

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慶応二年十二月の暮れーー
年末を迎え、大掃除が控えているある日の朝

千鶴「今朝は特別冷え込む気がする･･･
これだけ寒いと、風邪を引く隊士さんもいそう･･･」

藤堂「千鶴千鶴！おい、起きてるかー！？」

千鶴「この声は･･･
おはよう、平助君。朝からそんな慌てて、どうかしたの？」

藤堂「いやいやいや、すげーんだって！お前も見てみろよ！」

千鶴「？すごいって、何が？」

藤堂「とにかく外に出てみろって！

ほら、千鶴。･･･綺麗だろ？」

千鶴「わあっ･･･！」

藤堂「な、すっげーだろ！？
昨日寝る時は降ってなかったのに！」

千鶴「うん、すごい･･･。
夜だけでずいぶん積もったんだね」