お前は! ページ40
掠実side
よし。沖田さんの居る部屋に着いた
そこに居たのはやはり。「風間千景…」ぽつりと名前をこぼす。
金属と金属の触れる、鋭い音。
「…どれほどのものかと思っていたが、新選組の腕もこの程度か。さて、そろそろ帰らせてもらおう。
要らぬ邪魔立てするのであれば容赦せんぞ」
「悪いけど、帰せないんだ。僕たちの敵には死んでもらわなくちゃ」
「まっ」
沖田さんを止められるのは、結那だけ。
いや、つべこべいってる暇ない。私もやるか。
「風間、お前の敵は一人ではない」
がらっと音を立てて襖を勢いよく開ける。
本当は目立つことしたくないけど…
「──む?」(何故俺の名を…)
「ありがと、掠実ちゃん」
「こしゃくな…!」
「くっ!がっ!」
風間に蹴られた沖田さんは、呻き声を出して踞る。
「沖田さんっ!!大丈夫ですか!?」
「…おまえも邪魔立てする気か?俺の相手をすると言うなら受けて立つが」
沖田さんが私をかばうように立ち上がった。
「沖田さんっ!」
「あんたの相手は僕だよね?この子には手を出さないでくれるかな」
「愚かな。その負傷で何を言う。今の貴様なぞ、立て役にも立つまい」
「──黙れよ、うるさいな!僕は、役立たずなんかじゃないっ…!」
バカなんですかと叫んでやりたい。
つか本当に叫んでやろうかな。
「そろそろ行くか。ずお兄行ける?」
ずお兄...鯰尾藤四郎!
という事は──結那が来た。
「任せて下さい!」
「普通はここ結那だからね!?」
「えへ」
「まあでも、私も援護くらいはしようと思ってた」
私は再び刀を構える。
心なしか、いつも見ている世界より、遅く感じる。これなら行けるかも…って池田屋事件もう終わってるんじゃ?
「え、一つ言って良い?」
「?」
「もう終わってるんじゃない?と思いました。池田屋事件」
「あ、ほんと?」
「まってよまだこいつをっ、ゲホッ」
「沖田さん無理しないで下さい!」
あっちは結那に任せるか…なら、私は鯰尾藤四郎(…長いから鯰尾さんでいっか)の援護に向かう
「はぁっ!」
「ちっ」
鬼であろうが、私の敵ならば戦う。私は新選組を守る。
この一瞬、視界がクリアになって広く見えた
私は前に踏み込んで、刀を突き出す。けど、私も刀を突き出される
「なかなかやりますね!主、この人どうするの?」
「殺しちゃ駄目だよ」
「貴方がもし長州藩でないのならば──」
作者の一言
かすみ「あ、評価…よろしくお願いしますね」
19人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
掠実(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!!! (2020年8月14日 5時) (レス) id: 8279b97d66 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ほんま面白いです!更新めっちゃ楽しみにしてます!! (2020年8月14日 0時) (レス) id: edcd4ec207 (このIDを非表示/違反報告)
不思議の国の有栖さん(プロフ) - 面白いですね (2020年8月3日 16時) (レス) id: 2c347db9d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かすみ&るーな*Lune | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2020年7月28日 14時