【東リベ】竜胆くんの彼女ちゃんのセコムの話【灰谷蘭】 (ページ1)

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1・一目惚れしたらしいページ1

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やっほーアタシA☆夢はポケモンマス……じゃなくて、親友の舞子を幸せにすること！

今日も今日とで舞子が危険な目に遭わないように一緒に学校に行こうと意気込んでいたんだけど風邪引いちゃった☆

ふざけんなよ風邪。
咳・鼻水は無く、熱だけが異様に高い。ちなみにちゃんと病院に行って「ただの風邪ですね」との診断は受けてきた。

そして優しい優しい舞子は、学校が終わったあとお見舞いに来てくれるらしい。天使だ。

ただ、お見舞いに来る途中で変な輩に絡まれたりしないかが心配である。ヤンキーとかヤンキーとか変態とかエトセトラ。

舞妓に怪我させたり泣かせたり苦しませたりしたらどんなに大きな組織であろうと潰そうと思ってる。

布団の中で覚悟を決めると、ちょうどよく家のチャイムが鳴った。
インターフォンから、「入るよ〜」という声が聞こえる。舞子の声だ。

何かあったときのために私の家の合鍵を渡していたのがこんなところで役に立つとは。
寝室の扉が開き、舞子の姿が現れる。
ストンと肩に真っ直ぐに落ちる黒髪に、丸い目、色素の薄い肌。うん。今日も私の親友が可愛い。

『ありがとう舞子……。ヤンキーとか不審者に絡まれなかった…？』

「んー……絡まれたことは絡ま」

『どんな見た目だった、潰してくるよ』

舞子の話を途中で遮り、布団から起き上がる。
舞子に手を出すとは相当の命知らずだ。

「待って待って、とりあえず話聞いて？」

そう言った舞子の頬は少し紅く染まっていた。
まさか私の風邪が感染ったとかないよね……？

「あのね、不良に絡まれたんだけど助けてくれた人が居て。で、その人に」

なんとなく話はわかった。つまり

『一目惚れしたと』

「そ、そうなの……」

不良相手に立ち回ったんなら私の知り合いかもしれない。

『どんな見た目だったの？』

「変なことしない？」

じと、と私を見る。
変なことなんてするわけないじゃないか。

『いや、お礼しようかと。それに、不良とやり合ってたってことは私知ってるかもしれないし』

「ほんと！？」

『ほんとほんと』

「えっとね……」

そう話し始めた舞子。その話をまとめたら、最終的に六本木のカリスマ兄弟の弟のほうがビンゴした。
某魔女が作るCMで有名な知育菓子のような髪の色(美味しそうだったらしい)、それに紫色のタレ目。某知育菓子の時点で分かった。

『舞子、その人やばいやつだわ』