〘53〙食事 ページ8
＊
「ん〜〜、美味しいねぇ」
『もっちもち……』
目が輝いているのを自覚する。美味しい。舞茸とか月夜茸とか足してもきっと美味しいんだろうなあ、と思うがそうだ、月夜茸毒茸だった。毒茸、結構美味しい物が多いから定期的に食べたくなるんだよなあ。
……勿論最近はそんなことしていないが。というか料理自体あんまりしていないが。そういえば前福地殿が家に泊まったときも何も御飯食べなかったな。
「A、あの日朝と夜ご飯抜いたでしょ」
『したねぇ』
「福地さんからご飯食べてる？って定期的に連絡くるんだよね」
『いやいつの間に仲良くなったの』
ずずっ、とうどんを啜る。
いやあ、福地殿だし別にご飯作らなくてもいいかなあって。…なんて思ったのは流石に悪かったと思っているが、それ以前に私がご飯を作ると毒を盛られたか疑心暗鬼にさせかねない。
……福地殿でも毒は盛らないが。そこまではしない。
「二人って元々仲が悪かったんだってねぇ？」
「それは……まあ、そうですね」
バツが悪そうに優さんがそっぽを向いた。もう気にしなくてもいいのに、と思いながら油揚げをぱくり。…甘みと染みた出汁が良い具合に絡み合って溢れ出る。美味……。
「えっ、そうだったんですか？」
『優さん、元々私が生きることに対して否定的だったんですよねぇ』
「あああああA！それ言わないでよ！」
「そんなことがあったのかい！？」
異様にキラキラした目で太宰さんに見られる。…君は何を期待しているんだい、と言いたいのを我慢して頷く。
「どうして……」
『ほら、私元軍人で戦場に行ってましたので。戦争継続派の刺客だったら危ないじゃない？という訳で、当時の特務課は私を活かすか殺すかでてんてこ舞い。……結局こうして監視付きで落ち着いたんですけどね』
今だから笑顔で話せるが。とある長官や数名の特務課員によって生き長らえた。その時、私を殺す派の中心角の一人であったのが優さんで。
人の縁とはどう転がるのか分からない。
「本当にその件に関しては何と言ったら良いか……」
うぅ、と優さんが項垂れる。もしかしてお酒飲んでたりするのだろうかという考えが頭を過ぎったが、流石にそんなことはしないだろう。
『まあまあ。今はこうして仲良くしているんですから』
そういった私はご馳走様、という言葉を付け加えて手を合わせた。
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ぺぺいペイペイ - んんん大好きぃ… (9月25日 11時) (
レス) @page14 id: 574270cb2a (このIDを非表示/違反報告)
柏よもぎ(プロフ) - ハコ28さん» ありがとうございます！現在誠意製作中ですのでこれからもよろしくおねがいします (2023年4月3日 9時) (レス) id: 3dd860d531 (このIDを非表示/違反報告)
ハコ28 - とっても面白いです。続きを楽しみに待ってます (2023年4月2日 21時) (レス) id: 2c42bd39d0 (このIDを非表示/違反報告)
柏よもぎ(プロフ) - つゆこさん» ありがとうございます〜〜！！！これからも頑張っていきます！！✨ (2023年2月18日 21時) (レス) id: 541650209c (このIDを非表示/違反報告)
つゆこ(プロフ) - 第二幕おめでとうございます!!この小説も大好きです、ずっと待ってました！更新待ってます！((私は福地殿嫌いじゃないですよ！)) (2023年2月18日 9時) (レス) id: 655992e81c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柏よもぎ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/ichigo15ca1/
作成日時：2023年1月30日 16時
