эпизод side Ｂ─１ ページ17
＊
────時は数時間前に遡る。
今日は
「主様、御入り用でしょうか？」
「ぼくの居ない間に、例の部屋を片付けておいてください」
「かしこまりました」
《死の家の鼠》の一人であるイワンを呼びつけ、前々から計画していたものの一つをまた進める。
イワンが部屋を出ると、ぼくはいつだったかに隠し撮った彼女の写真をするりと撫でる。
�瓠悒侫А璽献磴気�!』��
何も知らない無垢な目で、其の名があだ名である、だなんて疑わない彼女。
──全てが愛おしい。
光の元でぼくの名を呼ぶ彼女は、あまりに眩しくて、あまりに美しかった。そんな彼女を好きに成ってしまった。
否、「好き」何て云う感情では表しきれない。
光の元で生きる彼女をこんなにも愛おしく思いながらも、ぼくの居る此の暗闇まで堕としてしまいたくなる。
ぼくだけを見つめて欲しい。
ぼくだけと言葉を交わして欲しい。
ぼくだけに名を呼んで欲しい。
ぼくだけに、其の笑顔を向けて欲しい。
今まで感じたことの無い程の独占欲に、始めはらしくなく少し動揺した。
其の白く柔らかい肌も、透き通る其の瞳も、鈴の音が転がるような声、するりと手で鋤けば直ぐ逃れる其の柔らかく艶のある髪、手を取ればぼくでさえも折ってしまいそうな程弱く細い其の身体、少し触れるだけで顔を赤く染めるその純粋な心。
はやく、全てをぼくのものにしたい。心も、体も、全て、全て──────。
ぼくだけが見える様に、ぼくだけを見るように、彼女に向けられる光をすべて消し去って、ぼくしか必要ないと思わせたい。
「さて…そろそろですかね」
彼女のことだから少し早く着くだろう。
────と思ったのだが、思ったよりも早く来ていたようで樹の下で男に手を掴まれていた。しかもその側にはゴーゴリがいる。
…は？
ぼく以外の男に触れられるな。
ぼく以外の男に助けられるな。
ぼくが、ぼくだけが、貴方を助けることができるのに。
どす黒いなにかが渦巻くのがわかる。
ぼくは、この感情を知っている。
「…なんで来たんですか」
ゴーゴリに冷たい目を向ける。
ぼくを見つけた瞬間少し安堵した顔をした彼女を見て、渦巻いていたどす黒いソレは、いつの間にかぼくの中から消えていた。
эпизод side Ａ─１４→←эпизод side Ａ─１３
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 445人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天然石 - 更新してほしいです頑張ってください (5月14日 21時) (
レス) id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
柏よもぎ(プロフ) - sareさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます…！そうやって褒めてくれる貴方様のほうが女神様ですわよ…（キュン（（） (2022年10月27日 21時) (レス) id: c1bfd5c1d9 (このIDを非表示/違反報告)
sare(プロフ) - うわぁぁぁ、ありがとうございますほんとに。これでドスくんを補給できます()女神ですか？？ (2022年10月19日 18時) (レス) id: b938a5d84e (このIDを非表示/違反報告)
柏よもぎ(プロフ) - さばさん» そう言っていただけてとても嬉しいです…！！！ありがとうございます！ (2022年8月18日 9時) (レス) id: 9a8037afe6 (このIDを非表示/違反報告)
さば - あああああああああ！！やばい！ドス君尊い！作者様神では！？？？ (2022年8月18日 3時) (レス) @page10 id: f8d5076105 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柏よもぎ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/ichigo15ca1/
作成日時：2022年7月3日 20時
