同居人はユーレイです。【青】

ghost.9 ページ9

「ねーころんくん。
　これってなんかのアニメのグッズ？」


Aが指さした先にあったのは、すとぷりのグッズやCDたち。

そういえば、Aにまだすとぷりのことや活動のことなどを詳しく話したことなかったっけ。



「僕が所属してるグループのグッズ。
　その青いキャラクターは僕」

「え！？これころんくんなの！？」

「そー。なんて言ったらいいんだろ…。
　僕のイメージキャラクター的な感じ？」

「へ〜…、これがころんくん…」



Aは興味深そうに僕のグッズをまじまじと眺めている。

こうして見ると、グッズもだいぶ増えたなぁ。



「ねぇ、ころんくん」

「んー？」

「このCD、聞いてみたい」





.





「すごい…！ころんくん歌うまいんだね…！」

「まーね！」

「歌声がすっごく綺麗…。
　とても同一人物とは思えない」

「……うん、よく言われる」



Aはそれからも、ここの曲調が良いとか、ここの音が良いとか、やけに専門的でマニアックな感想を言ってきた。

そういえば、「ピアノやってた」って言ってたな。

音楽には詳しいのかもしれない。



「音楽好きなの？」

「……うん、好きだよ」



やっぱり、ピアノに関することを聞くと、Aは少し表情を曇らせる。

今も返事をする前に妙な間があった。

ピアノにあまりいい思い出がないのかもしれない。


ちょっと気になるけど、多分訊かない方がいいな。




「そういえばライブもしてるって言ってたよね」

「してるよ〜。DVDあるけど見る？」

「え！見たい！！」

「ちょっと待ってね」



DVDを取り出して、再生機器に入れる。

画面に映像が映ると、Aはテレビの前に躍り出た。



「……ちょっと待って。なんで顔隠れてるの？」

「基本顔出ししてないから」

「え、ライブでは顔出してるんだよね？」

「そりゃもちろん」



Aは「ほへ〜…」という謎の感想を残し、またライブ映像を真剣に見始めた。



「すごいな〜。楽しそう。
　生きてたら私も行ってみたかったな」

「外に出れるなら連れてってあげられたんだけどなぁ…」

「……私がライブに来ることに抵抗ないんだ？」

「別にないけど」

「ふ〜ん？」

「何？」

「私に対する警戒心も随分薄れたなーと思って」

「は…！？いや、それは…」

「嬉しいなぁ〜」

「〜〜っ！ニヤニヤすんな！！」
　

ghost.10→←ghost.8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す