同居人はユーレイです。【青】

ghost.30 ページ30

「最近、どうなんですか？」

「どうって？」

「Aちゃんのことです」



今日、僕はまたるぅとくんとご飯を食べに来ている。

Aのことを知られてから、るぅとくんと二人で会う回数が増えたような気がする。

ちなみに他のメンバーにはAのことを一切話してないし、今後も話す予定はない。



「"やり残したことリスト"、
　ついにあと二つになったよ」

「え！もうそんなに消化したんですか」

「まぁ、簡単なものが多かったし」



ついにAのやり残したこともあと二つ。

早ければ二日で消化出来る。

この一ヶ月間、本当にあっという間だった。



「それで、成仏出来そうなんですか？」

「うーん…多分…。
　Aに未練がもう何も無いなら…」

「そうですか…」



心なしか、今日のるぅとくんは表情が暗い。

Aも暗い表情をしてることが増えてきたし、最近元気ない人多くない？寒いから？

僕はいつも通り元気なので、温度差が凄まじい。



「……あの、ころちゃん、
　Aちゃんから何か話聞きました？」

「ん？話？」

「親御さんの話とか、色々…」

「あー、結局聞いてないや」

「そうですか…」

「なんで？」

「いや、なんとなく…。
　もうすぐ成仏出来そうなら
　そろそろ話したのかなぁ、と…」

「さすがに成仏するってなったら、
　全部話してくれるとは思うけど…」

「そう、ですよね…」



……今日のるぅとくん、やけに探りを入れてくる気がする。

何か気がかりなことでもあるのかな。

それとも、ただ単に僕とAと友達だから気になるだけ？


るぅとくんはもしかしたら、僕が知らないAのこと、色々知ってるかもしれないんだよな…。

二人、最近仲良いし…。

……ってあぁ！またこんなこと考えてる…。




「ころちゃんは、いいんですか？」

「え？」

「Aちゃんが成仏すること」

「それは……。
　うん、本人が望んでることだから」

「……ほんとに？」

「うっ…、うん……」



嘘です。本当はかなりモヤモヤしてる。

でも、Aが成仏したがってると知っててさすがにそんなことは言えない。

これは僕の感情。それでAを困らせたくない。
　
　

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