ghost.14 ページ14
るぅとくんに家の中に上がってもらったんだけど…
「…」
「…」
「…」
沈黙が痛い…。
るぅとくんもAも、お互いの顔色をチラチラと伺いながら、黙り続けている。
今までこの家でこんなにも静かな時間があっただろうか。いやない。
Aってこんなに黙れるんだ、というちょっと失礼な疑問は置いといて、とりあえず僕から何か会話を切り出そう。
手始めに僕はさっきはぐらかされてしまったことを再度訊いてみることにした。
「あの〜、Aって有名人?だったの?」
「あ、はい。柊さんは有名人でしたよ。
学科内で知らない人間はいなかったと思います」
「いや、そんなことはな…くはないか……」
「ははは…」と乾いた笑いを溢すA。
この反応からして、あんまり良い意味で目立ってたわけじゃなさそうだな…。
大学内で何かそんなに目立つような行動をしてしまったんだろうか。
……あ!もしかして…!
「ヤンキーだったの…!?」
「!?なんでそうなるの!??」
「だってそんなに目立つって、
何か相当なことしないと無理でしょ」
Aは「私がヤンキーに見える!?」と言いながらぷりぷり怒り始めた。
いやまぁ、見えないけど…。
アホっぽい性格の割に清楚で大人っぽい外見してるし。
ザ・清楚な女子大生!って感じ。
「ころちゃん、むしろその逆ですよ。
柊さんは優等生だから有名だったんです」
「優等生?Aが?え〜…??」
「すっごい失礼な反応じゃない…?」
いやだって、普段の言動から優等生感は微塵も感じられないんですけど…。
遊びたい盛りの子供みたいな性格だし。
いつもワイワイ騒がしいし、やたら元気だし。
優等生とは程遠い…。
「品行方正、成績優秀、ピアノの腕もプロ並み。
先生からも一目置かれていて、
生徒みんなの憧れの的だったんですよ。」
「え…?Aが…?えぇ…」
「ころんくん失礼すぎない…?」
「これ実話?噂がひとり歩きしてない?」
「してません」
「してないよ…」
二人に断言されたら、本当だと信じるしかない。
まさかAがそんなに凄い人だったとは…。
バカと天才は紙一重ってやつ…?
そんな若干失礼なことを考えていると、るぅとくんが「あの…」と口を開いた。
「ん?なに?」
「あの、ところで、
どうして柊さんがころちゃんちに…?」
あ…えっと、それはですね……。
……いやこれ、どうやって説明しよう…。
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ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - とっても面白かったです!今更ながらですが、完結おめでとうございます! (7月24日 12時) (レス) @page50 id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
葉琥(プロフ) - 完結おめでとうございます。信じてもらえないかもしれませんが自分も一回幽体離脱したことがあって、その時、夢主ちゃんと同じような体験があってこんな偶然あるんだな〜っと思いながら読んでましたw (2020年9月5日 23時) (レス) id: b0d47f7052 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - 完結?おめでとうございます!!さとみくんが出てきた所で一人でずっとつぼってましたwお話面白い部分もあり、切ない部分もあり、すごく面白かったです!ありがとうございました! (2020年3月29日 0時) (レス) id: d37bac9867 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - お疲れ様でした!!すごく面白かったです!! (2020年3月28日 17時) (レス) id: e38bb1f61d (このIDを非表示/違反報告)
詩織-siori‐ - すごくおもしろかったです。意外性のある作品だったので先が読めなくてすごく楽しかったです。 (2020年3月28日 15時) (レス) id: 2a36034942 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年2月28日 18時