ghost.13 ページ13
「も〜!こんなになるまで飲んで…!」
「うぅ…ふらふらする…」
「ほらしっかり立って!」と言うるぅとくんの肩を借りながら、僕はマンションのエントランスを歩いていた。
今日はすとぷりメンバーとの飲み会があった。
調子に乗って飲み過ぎちゃって、もうベロベロ。
ふらふらな足取りで帰ろうとする僕を心配して、るぅとくんが家まで送ってくれている。
ねむい…。家まであと少し……。
酔いと眠気で意識が朦朧としてる。
「ころちゃん、家の鍵どこですか?」
「カバンの内ポケットの中〜…」
僕のカバンをごそごそやって、るぅとくんは鍵を取り出した。
あぁ、やっと家に帰れる…。
家……。
あっ……!!
「ちょっ、待っ……!」
僕が止めに入ろうとした時にはもう遅くて。
るぅとくんは家のドアを開けていた。
「おかえりなさーい!……えっ」
「えっ…」
あぁ、最悪だ…。
二人の接触を阻止することが出来なかった…。
家に女の子(しかも幽霊)がいるこの状況をどうやって説明しようかと、回らない頭で必死に考えていると、るぅとくんの口から衝撃の一言が発せられた。
「
「「え……?」」
……え、知り合い…?
「……えっと、ごめんなさい。
どこかでお会いしたことありましたっけ…?」
「あっ、すいません…。いきなり話しかけて。
僕はるぅとって言います。
去年まで○○音楽大学に在籍してました」
るぅとくんの言葉を聞いて、Aは少し焦ったような反応をした。
しかしすぐに笑顔になって「それじゃあ、私のこと知ってて当然だ!」と言った。
「え、同じ大学に通ってたの?」
「うん。私も○○大学の学生だったよ」
「僕は今21歳なんですけど、
間違いじゃなければ同い年ですよね…?」
「…うん、そうです」
衝撃の事実。
Aとるぅとくんはなんと同じ大学の同級生だった。
るぅとくんは今年退学して、Aも既に亡くなってるから、今はもう二人共大学生ではないけど。
「Aはるぅとくんのこと知らないの?」
「柊さんは有名人だったので、
僕が一方的に知っているだけです。
面識は全然ないんですよ」
「有名人?なん「あ、あの!」…ん?」
なんで?と訊こうとした僕の言葉を、Aが遮った。
「……玄関先じゃなんなんで、上がっていってください」
僕でも分かる。
A、今、無理して笑ってる。
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ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - とっても面白かったです!今更ながらですが、完結おめでとうございます! (7月24日 12時) (レス) @page50 id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
葉琥(プロフ) - 完結おめでとうございます。信じてもらえないかもしれませんが自分も一回幽体離脱したことがあって、その時、夢主ちゃんと同じような体験があってこんな偶然あるんだな〜っと思いながら読んでましたw (2020年9月5日 23時) (レス) id: b0d47f7052 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - 完結?おめでとうございます!!さとみくんが出てきた所で一人でずっとつぼってましたwお話面白い部分もあり、切ない部分もあり、すごく面白かったです!ありがとうございました! (2020年3月29日 0時) (レス) id: d37bac9867 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - お疲れ様でした!!すごく面白かったです!! (2020年3月28日 17時) (レス) id: e38bb1f61d (このIDを非表示/違反報告)
詩織-siori‐ - すごくおもしろかったです。意外性のある作品だったので先が読めなくてすごく楽しかったです。 (2020年3月28日 15時) (レス) id: 2a36034942 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年2月28日 18時