迷子になったら ページ49
*
外に出ると、
登坂さんはバイクに跨っていて、
A「バ、バイク乗るんですか?」
登坂「ん」
ただヘルメットを渡された。
乗ったことないけど、
大丈夫かな…
登坂「後ろ乗って。しっかり掴まれよ」
慌ててヘルメットをし、
大きな黒いそれに跨る。
A「失礼します…」
そう言って、
腰に手を回す。
登坂「よし、手離すなよ」
バイクが動き出す。
初めてのバイクに乗る不安と、
密着しているせいか、
ドキドキしてしまう。
だけど、
スピードに乗り、走り出すと
その不安もすぐに消えて、
私のモヤモヤしてた気持ちも全部
風に流れていくようだった。
楽しいかも…!
しばらく走ると、
ある場所で止まった。
とくに何もない所だったけれど、
登坂さんは降りて、近くにあった自販機で
缶コーヒーを買っていた。
登坂「Aちゃんは?何飲むの?」
A「えっと…同じもので…」
登坂「同じの?」
ガコンー
登坂「はい」
A「ありがとうございます」
近くのベンチに腰掛けて、
缶コーヒーを開けて渡してくれた。
一見クールだけど
本当は優しい人なんだ…。
登坂「健二郎さん、心配してたよ」
A「えっ?」
登坂「なんか、『俺がいなくなるまでにあいつの精神確立せなあかん〜!』って」
A「精神ですか…?笑」
登坂「……まぁ、色々あるよな。」
A「なんだか、申し訳ないです。私、しっかりしなきゃですね…。」
登坂「別に、そのままでいいんじゃね?たくさん悩んで、夢中になって…。」
健二郎さんと登坂さんは、
私たちのことを
気づいているのかな?
ってちょっと思ったけど。
気にかけてくれること、
優しい言葉をかけてくれて、
嬉しかった。
本当にいい方たちに恵まれたなぁって。
登坂「迷子になったら、俺が拾ってやるよ?」
A「えっ」
登坂「でも……もう少し、女度上げてからだな〜」
って笑いながら頭をポンポンって
A「…//」
女度かぁ。
岩田さんと釣り合う為にも、
自分磨き、頑張らないとなぁって。
やっぱり、
彼のことをすぐ考えてしまう。
*
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作者名:いちご | 作成日時:2020年8月27日 18時