久しぶり ページ21
*
太陽が強く照りつける夏の朝
電車を降りればすぐに
じっとりと汗をかく
亜嵐「Aちゃん!」
そう、
声をかけられたのは
会社に向かう途中のことだった。
A「亜嵐くん?!」
亜嵐「おはよ。いつもこんな早いんだ?」
私は
社内では一番早いんじゃないかな?
っていうくらい
出勤は早い。
人が増えて
ざわつき始める時よりも
静かに一人で
準備をするのが好きだった
A「亜嵐くんも早いね?」
亜嵐「溜まった仕事があって。てか、久しぶりすぎ」
A「そうだね?」
こうやって
顔を合わせて話すのは
久しぶりで、
心なしか
高揚する
亜嵐「普通に会話はしてくれるんだ?」
A「えっ?」
亜嵐「避けられてるのかと思ってた」
そっか…
あの日、
抱きしめられてから
まともに話してなかったっけ
避けてるのは
別の理由だけど…
いきなり距離をとるのは
不自然だよね…
A「たまたまだよ」
亜嵐「…ならいいけど。そうだ、今日飲みに行こ!いつものバーで待ち合わせ!じゃ」
A「えっ、今日って、ちょっと待っ…」
そう言って
かけ足で去っていく彼。
そういう所
全然変わってない
どうしよう。
もう二人では飲まないって
決めたのに…
*
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作者名:いちご | 作成日時:2020年8月27日 18時