黒い感情〜岩田side〜 ページ8
*
俺の可愛いかわいい
教え子のAちゃん
素直で一生懸命で
いつも目の前のことで
いっぱいいっぱいになって
不安げで…
ほら今もまた困り顔で
すぐに俺の所にかけつけてきて、
A「岩田さ〜ん。ここ、教えて下さい。」
この子の為に、
俺の全力をかけて
教えてあげようと
心から思った。
それなのに、
きみは僕の心を乱していく…
〜
歓迎会の時なんか、
お手洗い行ったまま
戻ってこないと思って振り返ったら…
健二郎さんの隣に座るきみ。
頬を赤らめて、
楽しそうにお喋りなんかして…
自分でも認めたくない
黒い感情が湧いてきて、
岩田「なんか、近いよね?」
女性社員「え〜なにー?なんてぇ?」
岩田「いや、何でもない…」
なんていうか…
今までずっと従順に
俺のことばかり向いていたはずなのに、
違う主人に取られた気分…
岩田「ごめん、俺健二郎さんに話があるんだった!ちょっと席はずすね」
え〜っていう声は聞こえたものの、
もう頭の中はきみでいっぱい
岩田「健二郎さん!何部下口説いてんすか」
できるだけ自然に、
感情を抑えて…
って思ってたのに、
よく見たら
健二郎さんの手は
Aちゃんの肩に回されてて
ほんと、悪気なく
自然にこういう事できゃう先輩が羨ましい。
はぁ…。
Aちゃんも、
なんで嫌がらないんだよ…
酔ってんの?
そんな顔赤らめて、
潤んだ瞳で見つめられたら男は誰だって…
自分の理性を保つので必死で、
Aちゃんの方なんて見てられなくて
そしたら
「岩田さん…、怒ってますか?」
って。
不安げな、
俺に向けられた声。
あぁ、その声が聞きたかった。
「怒ってないよ」
って言ったら、よかったですって
安心した表情にかわったきみ。
ほんと、可愛い。
とりあえずお水を飲ませて、
少しでも酔いを冷まさせて、
帰りも変なやつについていかないように
タクシーで帰らせて、って
過保護すぎる自分に笑っちゃうくらい。
それなのに、
同期が止めに入ったり、
しまいには健二郎さんが、
金曜忘れんなよ
ってAちゃんに。
何があるんすか、金曜日。
ほんと、
おかしくなりそう。
いつからだろう
気づいたら、
きみに夢中だ。
*
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作者名:いちご | 作成日時:2020年8月14日 21時