その子 ページ48
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岩田side
結局、飲みの誘いには気がのらなくて臣さんに声をかけた。もとからそのつもりだったけど。
やっぱり、きみがいないと…。
ただ、みんなの会話に合わせて空笑いをする。
途中から臣さんの部下の亜嵐の話しになって盛り上がり、
女性たちが一緒に飲みたいって言いだして、合流することになった。
カランー
臣「うっす。あれ?亜嵐1人?」
亜嵐「はい、なんか用事あるとかで帰っちゃいました」
岩田「合流するの、悪かったかな?」
亜嵐「いえ!全然そんなことないっす」
臣さんがマスターに4人分のお酒を頼む。
臣「なに?女の子と飲んでたの?」
亜嵐「はい、あっ、いえ。まぁ、はい。友達っす」
女性社員「あはは、亜嵐くん可愛い〜。なんか挙動不審じゃない?」
運ばれてきたお酒で乾杯する。結構飲んできたから、みんなすでに出来上がっている。
亜嵐「登坂さんは、好きでもない人とキスできますか?」
その質問に、女性たちがキャーキャー盛り上がっている。
臣「何の質問だよ?まぁ、俺の場合は、その場の雰囲気と可愛い子だったらできるな〜」
女性社員「え〜っ、そうなのー?!岩ちゃんは?!」
岩田「俺は…好きな人とじゃないと嫌っすね〜」
またキャーっとざわつく。
臣「なんで?お前は?」
亜嵐「いや、さっき聞かれたんすよ。男の人の意見が知りたいって。」
臣「それ、絶対黒だな。その子。」
岩田「そうっすね。」
女性社員「亜嵐くん失恋だねー」
亜嵐「いや!俺は別に…」
臣「どんな子なの?その子」
亜嵐「なんかふんわりしてるんすけど、真面目なやつで。ちょっと会ってない間に、急に色っぽくなってたっていうか…」
臣「黒だな。お前、一緒に飲んでてよく我慢できたな?」
亜嵐「いや、友達なんで。でも、正直危なかったっす」
ってはにかみながら笑う亜嵐。
「奪っちゃいなよー」
「いやー、俺結構慎重派なんすよ」
なんて会話を聞きながらお酒を飲む。
その後から何を話したのかはもう覚えていない。
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作者名:いちご | 作成日時:2020年8月14日 21時