タイミング ページ21
*
「じゃあ!みんな、かんぱ〜い!!」
「「かんぱ〜い!!!」」
みんなお酒の缶を片手に、乾杯。
もちろん車で来た人は、ノンアルコール。
「はい!みんなお皿持って!どんどん焼いていくから取っていってね!」
男性陣がお肉や野菜を焼いていく
亜嵐「あちーっ」
って言いながら、
タオルを首にかけて、
亜嵐くんは太陽が似合うなーなんて。
女性の先輩たちがうちわを持って
仰いであげてる。
岩田さんは…
暑さなんか感じさせないくらい
爽やかな笑顔で、
レディーたちの対応。
2人とも、ほんとモテる。
なんだか、
いつも近くにいるのに、
遠い存在に感じてしまう。
「はははっ、せやな〜」
!!
この声はっ
後ろから、
健二郎さんと登坂さんが
話ながら近づいてくる…!
紙皿を持った手に力が入る。
お話、できるかな…
その距離、あと…
女性社員「Aちゃーん!悪いんだけど、こっちの野菜、切るの手伝ってくれるかなー?」
A「え?あっ、はい!分かりました!」
あと少しだったのに…残念。
健二郎「…?」
その後も、同じようなことが2回ほど。
こんなタイミング悪いことってある?
まだ一回もお話できてないよ。
お酒も、お肉も美味しく頂いて、
楽しいはずなのに、
やっぱりちょっと寂しい。
女性社員「Aちゃん、一緒に、洗い物いこ!」
A「はいっ!」
洗い物を持って、水洗い場に移動する。
もう、今日はあきらめよう。
仕方がない。
洗い物を始めると、
「うん、うん、せやで。だから…」
顔を上げると、
携帯を耳にあてて、誰かと電話をする健二郎さんが通り過ぎていく。
目が合って、
そしたら、いつもみたいに
ニカって笑ってくれて。
あぁ、今日はもうこれで十分だなって
満足しちゃった自分がいて。
ほんと、わたしって単純。
*
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作者名:いちご | 作成日時:2020年8月14日 21時