さん。 ページ4
今日は山口が委員会の集まりがあるということで昼食は1人でとることになった。
教室で食べてもよかったのだが気分転換に屋上で食べてみようかなと思い、屋上までの階段をゆっくり登る。
ギィ、と音を立てて古い扉が開く。
外特有のなんとも言えない明るさが目を差す。
「眩し...、日陰ないかな...。」
明るい陽射しに目を細めているとふとフェンスの外側に座っている人を見つけた。
「(フェンスの外...？)...、ハ？！」
座ってる人はフェンスの内側ではなく外側に座っている。
落ちたら、危ないじゃないか！
「ねえ、チョット！」
思わず声をかけ、その人物に寄るとそいつはきょとんとした顔でこちらを見る。
ーー...昨日の、自販機の...。
『えと、...どうかしたの？...あ！ご飯食べるのー？？』
鈴を転がしたような声が響く。
こちらの心配を他所に、ねえねえおべんとー？何食べるのー？と続けて声をかけてくる。
「いやあの...そっち危ないと思いますケド...」
『ねえ、お弁当だと何が好き？あたしエビフライ！』
にこり、と笑う。
話が噛み合わない...。
痛くなってきた頭を抱えため息をついていると一緒に食べよ！と話しかけてくる。
「いやあの...」
『このお弁当お母さんが作ってくれたの？？彩りきれ〜い！』
「？！、何勝手に開けてんの！？」
話が噛み合わないことにどうしようかと思っているといつの間にかフェンスの内側に移動してきたそいつは僕の弁当箱を開けていた。
『立ってないで座って食べようよ〜』
昨日の単細胞馬鹿2人より厄介な人かもしれない...。
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作者名：いちか. | 作成日時：2021年10月23日 18時
