しにたがりと月島くん (ページ3)

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理解力のない馬鹿2人に教えていると頭が疲れる。

イライラして席を立ち教室を出ようとすると山口が「どうしたのツッキー！」と声をかけてくる。

「頭が疲れてきたから飲み物買ってくる。...山口、その馬鹿2人に教えといて」

僕がそう言ってドアを開けると「んだと月島ァ！」と馬鹿1の声がする。

ああ、うるさい。

その声を無視して自販機のある中庭へと向かう。

ｰｰｰｰｰｰ

自販機の前に着くと女子生徒がいた。

ボブヘアーと言うのだろうか、首元でさらさらと揺れるグレーの髪色が陽の光に当たり、透き通っている。

『うぅん...いちご...いや、バナナ...』

ぼそぼそと声がする。

『...よし！今日はバナナ！...いや、でもな...いちご...』

ううん、と唸りながら腕を組む。
ただでさえイライラしているというのに優柔不断な奴を見ると余計にイライラしてくる。

「...僕も買いたいのでいいですか」

先輩なのか同級生なのかわからないのでとりあえず敬語で話しかける。

『...えっ、あ、！ごめんなさい！』

どうぞどうぞと女子生徒は後ろにズレる。

ピッ、といちごミルクを押すと「いちごミルク美味しそうだな...でもバナナの方も...」と悩んでいる声がする。

その声を聞きながらもう一度お金を入れていちごミルクを押す。

ガコン、と音を立てて落ちてくる2個目のいちごミルク。

それを取り出し口から掴み出して後ろの女子生徒に渡す。

『...え、？』

「...決めかねてたようなので。...僕のおすすめです。」

これが筑坂Aとの出会いである。