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それから、海鮮丼食べたりソフトクリーム食べたり。
朱里は、幻聴が落ち着いたみたいで機嫌がいい。
3人で、北海道の商店街を歩いていると、急に朱里が立ち止まった。
廉「どーしたん？」
朱里「あれ、奇麗だね。」
海「ホントだ。」
朱里の目線の先に会ったのは、ガラスコップ。
ちょうど光が差し込んでいてコップの色が反射して奇麗で、これがエモいってことかなーなんて思ってしまった。
廉「見に行っていみる？」
朱里「うん！」
おしゃれな雑貨屋さん。
花瓶やお皿が沢山。
さっきの奇麗なコップの前に着いた時、3人で感動して言葉が出なかった。
店員「何か、気に入ったものありましたか？」
急に、話しかけられ我に返った。
廉「このコップが、あまりにも奇麗で。」
店員「このコップは、私の母の最後に作ったものなんです。
去年亡くなって。」
海「あっ。そうなんですね。」
朱里「お姉さん！
このコップ奇麗でしゅね！
朱里、このコップしゅき！」
店員「ホント？
じゃあ、このコップ朱里ちゃんにあげよっか！」
廉「えっ！いや、申し訳ないです。お金出しますよ。」
店員「いいんです。この店も、もう閉める予定なので。母も嬉しいと思います。こんなに気に入ってくださって。」
廉「でも…。少しは払いますよ。」
店員「あぁ。じゃあ、私と約束してほしいです。」
廉「はい。なんでしょうか？」
店員「朱里ちゃん。私と約束してもらってもいい？」
朱里「うん！」
店員「このコップ、大事大事に使ってくれる？」
朱里「うん！大事大事する！」
店員「ありがとう！じゃあ、私から朱里ちゃんにプレゼントするね！」
朱里「あーと！」
廉「ホントに、良いんすか？」
店員「はい。なんか、朱里ちゃんの笑顔見てると悩みが全部吹き飛んだように感じられて。
優しい笑顔が全部包んでくれたので。
こちらこそ、ありがとうって感じなので、良いですよ。」
廉「ありがとうございます！」
海「れーんー」
廉「なんや？」
海「他のもすごいよ！俺、このお皿ほしい！」
廉「ホンマや！どれも奇麗やね。」
店を見渡していると、1つの花瓶に目が行った。
家で花を置いたことは無いのに、無性にそれが欲しくなった。
結局、その花瓶と海人が気に入ったお皿を買った。
朱里は、コップをもらえて満足そう。
店員さんに、お礼を言ってホテルに戻ってきた。
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作者名：しゅす | 作成日時：2023年8月26日 12時
