１２５ ページ35
言葉が出なかった。
朱里の大切の人は死んでしまっている。
大切な人の死を中学生で体験して、1人で抱えて。辛いに決まっている。
涙が溢れて止まらなかった。
仙「大丈夫ですか？
ごめんなさい。
今の朱里ちゃんには永瀬さんが居るのにこんな話はきついですよね。」
廉「いえ、グスッ聞けて…よか、た…です…」
朱里「れーくん？」
俺の膝の上に居た朱里が心配そうに涙を拭ってくれた。
俺は、朱里を抱きしめた。
朱里「だーじょーぶ。朱里いるかだ。」
廉「…あり、が…と…」
仙「朱里ちゃん。ちょっと先生とお話良い？」
朱里「ここでおあなち？」
仙「うん。ここでお話。」
朱里「いいよ。
れーくん。朱里おあなちちゅるけどギュッてちてていーかだね。」
廉「グスッありがと」
朱里「てんてー。おあなち、なあに？」
仙「お耳さんから知らない人の声、聞こえる？」
朱里「コクン」
仙「そっかぁ。しんどいねぇ。」
朱里「お耳しゃんの声はずっちょきこえでるけどだーじょーぶ。
れーくん居る。」
仙「ずっと聞こえるかぁ。
聞こえなくなったらいいね。」
朱里「うん。聞こえなくなったらうでちい。」
仙「そうだよね。」
仙「朱里ちゃん、今怖いものある？」
朱里「れーくんがいなくなっちゃうこちょ」
仙「廉くんが居なくなっちゃうことが1番怖い？」
朱里「コクン」
仙「うん。わかった。ありがとう。」
仙「今日、クリスマスイブだね。」
朱里「うん！」
仙「サンタさんに何かお願いした？」
朱里「ばーきんまん！」
仙「もらえるといいね！！」
朱里「うん！！」
仙「じゃあ、先生からもクリスマスプレゼント！」
朱里「？これなーに？」
仙「お風呂に居れるやつだよ。」
朱里「いいにおい？」
仙「多分良い匂いすると思う笑」
朱里「あーと！」
仙「いいえ〜」
仙「永瀬さん。落ち着きましたか？」
廉「はい。もう、大丈夫です。」
廉「プレゼントありがとうございます。」
仙「いいえ〜。全然！
今日は、薬は変えずに以前のまま処方しておきます。」
廉「はい。ありがとうございます。」
仙「年明けにもう一度受診いただいてもよろしいでしょうか？」
廉「わかりました。」
仙「では、今日はおしまいです。お大事に」
廉「ありがとうございました。」
朱里「あーとごだーまちた！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゅす | 作成日時：2023年11月1日 13時
