94日向side 過去編 ページ44
『ねぇ、ひゅーちゃん』
俺に声をかけるこの女、
何がひゅーちゃんだと思ってたが、こいつが呼ぶ度結構好きな俺がいてきめぇ…！
初めて、こいつを見た時白い肌の綺麗な幽霊かと思った。
寺に迷い込む悪霊か？だりぃなと思っていると身体を震わせ、クシャミをする声が聞こえた。
髪を耳にかけ空を見上げるこいつを、
俺は好きになった。
近づくとより一層綺麗な顔付きで
もう少し歳を取ればすげぇいい女になるんだろうなと思った。
体が勝手に動き気づけば声をかけていた。
MUGENの頭と聞かされた時、殺してやるほど憎かったが、こいつを失いたくない方を優先してしまった。
こいつに惚れた。
そんな一言で片付けられるもんじゃねぇけど、
Aにキスをすると真っ赤な顔が可愛くて独り占めしたいとまで思った。
日に日に会うようになり、
俺の話とか8割こいつの話だけど楽しかった事とか話してくれた。
毎回コブラって奴の事を話すのはイライラするけど。
『ひゅーちゃんに会えてよかった』
「そうかよ、」
無愛想に返事したけど、俺もお前に会えてよかったと思ってるよ。
「もし俺が居なくなったらどーすんだよ」
ふと思った事を口にすると、
Aは悲しそうな顔をした。
『ひゅーちゃんがもし離れた時は…帰ってくるまで待つし…ひゅーちゃんが帰ってこれる場所を守ってるよ』
と涙を流しながら笑うこいつに、
全てを預けてもいいと思った。
Aが帰った後俺は、日向一家を立て直すため、MUGENに恨みを抱える奴を仲間にしていく。
俺はMUGENに復讐する。
Aが1人になろうとも俺はあいつの仲間を倒す。
大丈夫、あいつが1人になっても俺がいる。
日向一家があいつを守る。
と心に刻みながら仲間を作り、
集まった奴らを達磨一家と名ずけた。
達磨一家の名を挙げようとする矢先、
俺は警察沙汰の事件を起こし、刑務所に入れられた。
「…A」
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作者名：いち | 作成日時：2017年10月15日 23時
