88貴方side 過去編 ページ38
仲間が増えて、MUGENの名前も広がってきた頃
最初とは違う違和感を感じ始めた。
でもホントに些細な違和感でまだ私は気づいて無かった。
龍也さんが最近毎日なにか悩んでいる顔をしている。
『龍也さん?どうしたの？』
ナ「わかんねぇー聞いても答えねぇんだよ」
『そっかー』
龍「A！ナオミ」
『なにー！』
ナ「んー？」
龍「…俺さ、洋食店を始めたいんだけど！」
『イイじゃん！』
ナ「ムゲンの奴らどうすんの？」
龍「アイツらが楽しく集まれて美味しい物を食える場所にしてぇんだ、…A俺は、ムゲンを抜ける」
MUGENを抜けると言った龍也さんは私に頭を下げた。私は慌てて龍也さんに頭をあげてもらう。
『ちょっ！龍也さんやめて、』
龍「俺が居なくてもAを守ってやる…だけどAムゲンの事をお前はまとめられるか？」
まとめられる…か？私が、
守られてばかりの私があの人達を守る…
ナ「Aも辞めたらいいよ、私と兄貴がお前を守るし」
『えっ、』
龍「どうする？A」
MUGENを選ぶか龍也さんの元に居るか…
考える度、チラつくのはコブラとヤマトの笑顔。
コブラが言ってくれた守るって。
『ごめんなさい、龍也さん私はまだムゲンに居たいです。最後の1人になるまで誰も傷つけないようにムゲンを頭として、守りたいです』
龍「その言葉が聞けてよかった、でもAムゲンに囚われなくていい、お前は何処にも属さない自由なAが一番似合ってる。お前の居たい心が開ける奴の傍に居たらいい」
心の開ける人の傍に…
一番は決まってる、龍也さん私は貴女の傍に居たいです。これからも、この先も。
龍也さんがMUGENの皆に洋食店をする事を話した。
もちろんみんな喜んで、手伝うと言ってくれた。
その時私が琥珀さんの心に気づいていたらさ、
なにか変わったかな、
このままで居れたかな…
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作者名：いち | 作成日時：2017年10月15日 23時
