検索窓
今日:11 hit、昨日:6 hit、合計:21,038 hit

49 ページ49

適当に相槌をうちながら支度を始めていると彼女が急にメイを見てみたいと言い出した。
もちろん断るに決まっている。
メイを他の女性に会わせるだなんて私が頷く訳がない。

「無理だよ。すごい人見知りだし。それじゃ私行くね」

彼女の返事も待たずに逃げるように店を出た。
何故か嫌な予感がしたのだ。
少し離れた所に愛しい人の姿が見える。

「メイくん!」

車から降りて待っていたメイに勢い良く抱きついた。
華奢な体で全てを受け止めてくれる。

「おかえり〜」

ぎゅっと抱き締めて頭を撫でてくれる手に先程までの全ての不安が溶かされた。
離れていると不安になるが側に居るとメイには私しか居ないという不確かなようで確かな確信。
それは言葉では言い表す事が出来ない。
裏と表の感情が共存している。常に不安と隣り合わせで安心したかと思えば急に不安になる。
きっと自分に自信が無い事とメイの事を好きな人が目に見えて分かるという状況がそうさせているのだろう。

「ねぇメイくん」
「なーに?」
「私だけだよね?」
「当たり前でしょ」

深く聞かず欲しい言葉だけを掛けてくれる。
全て私だけのものなのに、この手で他の女に触れてしまう。
抱き締めてしまう。
この目で見つめてしまう。
仕事なのだから仕方ないと思い無理やり蓋をした。
見ないふり。
一体どれだけの感情を閉じ込めるのだろう。
しかし側に居るからには仕方が無い。

50→←48



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
設定タグ:レジレコ , メイ , DOG
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。