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支度を終えて玄関に向かうメイの手をぎゅっと強く握った。

「寂しい?」
「・・・少し」
「少しだけ?」
「・・・結構」
「俺も。でもまた後で会えるからね」

顔中にキスをして、また後でね。そう言ってメイは部屋を後にした。
急に静かになった部屋で1人考えていた。
つい数日前まで想像出来なかった現実にまだ非現実かのような不思議な感覚包まれた中、ふと以前のインストで撮ったチェキを取り出す。
いつも財布に入れて持ち歩いているせいか少し擦れてしまっている。
緊張した自分を抱き締めているメイの平然とした笑顔を見ていると懐かしい気持ちになる。
しかし程なくして気付いた。
これからもインストはあり続ける
当然チェキの撮影会もある。私のものになったはずのメイはこうして女性と密着し続けるだろう。
その中でメイの好みの女性が来てしまったら、私以上にメイを必要として縋る人がいたら。
別に女性に触れた手で私に触れる、そのときメイは紛れもなく私だけを思う純粋な気持ちなのだろうか。
急な不安で押しつぶされそうになった。

私はいつまでメイの一番で居られるのだろうか

その答えはメイにしか分からない。
私がいつまでも考えたところでどうしようもない事なのは分かっている。
先程までの幸せな気持ちが一気に消え去り、重い足取りで私も家を出た。

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作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時

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