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やはりメイが来る時に持っていた袋だ。
中身を戻そうと手に取ると可愛い袋で包装された物が10個ほど入っていた。
何かは分からないがファンから貰った物だろう。
「メイくん」
「なにー?」
「これなに?」
部屋に入り、私が手に持った物を見て思い出したような表情を見せる。
「今日事務所に届いてたの引き取ってきたんだった」
「やっぱり?」
やはり予想通りだったと手紙を除いて袋ごとゴミ箱に放り込んだ。
それを見ていたメイもさほど気にしていないようだった。予想通りの行動だったのだろう。
「手紙は残してるんだー」
「メイくんが読んだら捨てるから今日中に読んどいて?」
「Aちゃん怖ーい」
からかうように笑うと早速封筒から取り出し読み始めた。
手紙以外の物は不要だ。
私以外の女から貰った物など身につけさせる事は許さない。
今更歯止めなど効く訳などなく徐々に歪んだ愛情が加速していく。
それはメイが受け止めてくれるという事が分かっているからだろう。
トイレから戻ると既に2通を読み進めており、残り3通になっていた。
「やっぱりさーこういう風に手紙でDOGに元気を貰ってるとか書かれてると嬉しいよね。バンド続けて来たかいがあるっていうか」
「私もそのうちの1人だよ。メイくんが好きで通ってたのもあるけど何だかんだ落ち込んだ時も楽しい時もDOGの曲を聞いてたし」
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作者名:emilia | 作成日時:2017年9月19日 18時